君が思い出になるまでのお話

桐谷

プロローグ_ぼくと君の話。

昨日まで隣にあったはずの君の体温、吐息、言葉

それはいつもぼくの頭の中を飽和して、やがて消えていくの

この時間がいつまでも続けばいいのに、いっそ時間なんて止まってしまえばいいのに

そんな思考を繰り広げるぼくには、君という人間がいないとダメみたい

君の隣でしか息ができないぼくはこれから先、生きていけるのかな

明日の君に会うためだけに日々を生きているようなぼくが、誰かを愛する権利はあるのかな

寂しくて寂しくて今にも死んじゃいそうなぼくの心を誰か癒してよ

なんて言ってはみるけど、ぼくの心を癒せるのはこの世でたった一人の君だけ

君がなんの細工もしていないガラクタのようなぼくを愛しているといってくれたように、ぼくも誰かに愛を伝えられる日が来るのかな

その日が来たとしてぼくはぼくを認めてあげられるのかな

君が教えてくれた愛ってやつ

それは嬉しくて儚くて、こんなにも辛いものなんだね

でも、どうせなら君の忘れ方も教えてほしかったななんて思うぼくはやっぱりわがままなのかな


今日からどうやって生きていこう

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