【6】上野
唐突すぎる。
まるで、ここに至るまでの記憶がない。
気がつけば、椅子に座っていて、ふと見ると他に7人いた。
卓に目をやれば紙と封筒。
おそらく、他の皆も『そう』なのだろう。
私は、ルールを読み終えると、身震いした。
これは、まるで。
『人生そのもの』じゃない。
気がつけば、私はこの世界にいて、そこには誰が創ったのか分からないルールがあって。
そして【不平等】だ。
私を含め、ほとんどの人は黙り込んでいる。
黒い封筒を開けると、『祈祷師』と書かれたハガキが十枚。
【私は富裕層に生まれた】らしい。
このままでもいい。このままでいたい。
そして、自分の地位を盤石のものにするには【財】が要る。
王からの『ほどこし』
誰が王なのかは、分からないけど。
誰が王じゃないかは分かりそうな気がした。
だって、みんな欲しいもの。
みんながみんな欲しいもの。
自分の為の【財】が。
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