この戦いの終わりは無い

れれれつ

第1話 出会い

。。。。。。。。

人は永遠の命を手に入れようとあらゆる技術を駆使した。しかし、遂に永遠の命を手に入れることはなく数百年が経ちその副産物だけが残った。さらにその副産物は人間を襲い、高確率で襲った人間を自分と同じものにするという力を持っていた。後にこの副産物はゾンビと呼ばれるようになり、ゾンビによって減少した人間を守る為にゾンビを狩るものがあらわれた。



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ある曇りの日、調査及びゾンビの処理を依頼され訪れた旧不老不死研究所でソレと出逢った。喜嬉としてゾンビを狩り返り血を浴びるソレは、崩れかけた屋根から差し込む柱状の月光に当てられ自分の目に嫌に神秘的に映った。その記憶を最後に目の前が黒に包まれた。


「今回は旧不老不死研究所の調査を君にお願いしたい。特殊個体も出る可能性が高い場所だ。気をつけて行って来てくれ。」

そんな記憶が頭の中で流れる。依頼主が続けて言う。

「ゾンビ合計討伐数No.1 単独のファイ、君には期待しているよ。 」

「ありがとうございます。それでは。」

そう言って依頼主を後にする。そのまま依頼された場所へ向かった。

単独の、と呼ばれた理由を話しておこう。そもそもゾンビ関係の依頼は単独で受けるような依頼ではない。そんな中で自分はチームで活動せず単独でゾンビ狩りをしていた。

何故皆チームを組むのかというと、普通のゾンビ単体程度なら一般人でも倒せるほど弱いがこれが大量に出てきた場合や、特殊個体のゾンビが出てきた場合に対処できないからだ。特殊個体は通常個体より強く、特殊な能力を持っていたりする。話に出てきた不老不死研究所だが、ここでは過去に不老不死の研究がされており、その副産物としてできたゾンビがそのままとどまっている可能性が高く特殊個体の出現確率も高い危険な場所だ。

「ここか。」

研究所についた自分は一人でそう言って、壊れかけた建物の中に入っていった。ゾンビは思いの外少なく、研究所だったにしては少なすぎると感じるほどだった。どれだけ研究所の奥へ進んでもゾンビは少なく、強くもない上特殊個体もいなかった。

「何かいいものがあれば拾ってきてくれ。ものによってはボーナスも出す。」

そんな依頼主のサブ依頼をおもいだす。この程度の危険度ならじっくり探せそうだ、そんなことを思いながら奥へ奥へ進んでいった。沢山の本が積んである場所を見つけたためそこへ近づく、ゾンビはまわりにおらずその場で本の内容を簡単に確認した。内容はここで行われていた研究の一部情報で非常に保存状態が良かった。この研究室は水道が一部壊れかけて水溜りなどがあるのに、その本たちは唯一濡れていない場所に固まっていたのだ。そんなことはつゆ程にも気にせず小型カメラで本の内容の写真を撮っていった。本自体は薄く、大事そうなページだけを撮ったためすぐ最後の本にたどり着いた。

「汚い。」

その本は血か何かで汚れておりところどころしか読むことができなかった。

「No. の を注入 適 し、 を 手 入たが 制 しなければ 強く 管理 ない。」

別にいいか。と思ってその本の写真は撮らなかった。

そのまま奥へ進むと恐らくこの研究所の中心部だろう。とても開けた円形状の間に瓦礫が山になって人の背丈以上積み上がっており山になっており、その手前に不自然に一つベットが置いてあった。そのベットへ近づいた瞬間だった。体が宙に浮く感覚とともに硬いものへ勢いよくぶつかった。すぐに起き上がり周りを見ると、普通のゾンビとは比較にならないほど大きな筋肉質のゾンビがいた。だが、そのゾンビには腕が片方ない上、体からは血を流しており満身創痍だ。誰かと戦ったのだろうか、いや、ここはだれも調査に入ったこともない場所でこの付近は進入禁止エリアだ。なら何故?それ以上考えている暇はなかった。すぐに背中に背負っていた自分の武器である対ゾンビ用チェーンソーを取り出し、電源をつける。ブゥゥゥンという音とともにチェーンソーが動き始め、筋肉ゾンビに向かって走り片腕に切り込む。

「硬っっった!」

全くと言っていいほど歯が通らない。筋肉ゾンビが腕を振り少し遠くへ飛ばされるがしっかりと着地する。

「やば…。」

逃げようと思ったが入り口を瓦礫で塞がれてしまい逃げることができない。自分はこんなところで死ぬのだろうか?筋肉ゾンビからの攻撃がくる。なんとか避けたが最初に吹き飛ばされ壁にぶつかったときのダメージもあり、自分の体力が先に尽きるのは目に見えていた。

何度も何度も筋肉ゾンビの攻撃をよけ、どれだけ時間が経ったか分からないが自分の足が上がらなくなった。筋肉ゾンビがなにか言っている。

「お前 を 食べ 回復 アイつ バけモノ から 逃げる」

何を言っているのか分からない。理解なんてする必要もないと思った。もう逃げることもできないし体力もない、自分はここで死ぬのだから。筋肉ゾンビが腕を振り上げた。自分は目を閉じ、その攻撃を待った。

ボトッとなにかが落ちる音がしたが、気にもならなかった。潰される瞬間を静かに自分は待った。そう、待っていた。だがいつまで経ってもその瞬間は来ず、目を開けた。自分の顔になにか液体がかかった。鉄臭い気がする。手でそれを拭い頭につけてあるライトで液体を確認する。赤黒い、恐らく血であろう。

ゴォンッ

なにかが吹き飛びぶつかる音がする。その方向を見るとさっきの筋肉ゾンビが瓦礫の山にぶつかりヘタっていた。残っていた片腕が無くなっている。

その次の瞬間、筋肉ゾンビの首が飛び大量の血液がゴポゴポと出てきた。

瓦礫の山に乗っかった筋肉ゾンビの死体の上に、人形のナニかが乗り筋肉ゾンビの死体をバラしていた。ナニかの姿を月光により見た。自分はその人形のナニかに神秘的なものを感じ其の儘黒に包まれた。

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