空中大陸の果てを見たい学者が空中戦艦の艦長になって戦う話
古井論理
登場人物紹介
空中戦艦「アヴァターラ」
ハル・カランベリ大佐(艦長、二十八歳)
二十代前半で技術研究員から空中艦隊の士官養成課程にスカウトされた才媛であり、部下たちの年齢にかかわらず艦全体をうまく統率することに長けている。探究心豊かでマイペースな性格で、正義感や使命感は強いが行動の形は独特。今できる最大限のことを手遅れにならないうちに、がモットー。年相応と言うには少し若い見た目をしていて、眼光は鋭く狼のように精悍な顔つきをしている。髪は短く切り揃えていて、見る者に爽やかな印象を与える。
ヴォロス・シャルレーン中佐(副長、二十八歳)
沈着冷静でいついかなる時でも泰然自若としており、生粋の職業軍人としてハル艦長を支えるが艦長の奇策には困惑することも多々ある。基本的には参謀タイプであり指揮官としての能力は高くとも積極的にトップに立とうとはしない消極性をもつ。過去の経験によるトラウマから心理的な弱さを併せ持っているが、その弱さは彼の人を見る目と合わさった結果としてハル艦長に対する無類の忠誠心に昇華している。白い髪と赤い眼を持ち、先天的に体の色素が薄い。瞼は切れ長で目は細く、髪の毛は男性としては長めであり後頭部で結んでいて、体つきは華奢である。
チトセ・ハトヤカイ少佐(砲術長、三十五歳)
砲術のエキスパートであり、磨き上げられた戦術的センスに加えて芸術的と評される特有の火砲運用スタイルを確立している実力者。艦長の要請に応じて、瞬時に的確な武装運用を行い敵を撃破する。火砲の手入れで鍛えられた圧倒的な体格をしていて、声も低いため男性と間違えられることもある。
ティカ・ハルナス特務少佐(機関主任、四十五歳)
整備兵からたたき上げで機関主任にまで昇格した優秀な機関科特務士官であるが、その経歴は彼女に言わせれば「整備をこまめにやって、ミスを防いだだけのこと」である。年齢相応の見た目をしていて、どことなくお笑い芸人のような風格を備えているため余興で漫才のようなことをすることもある。
マクノス・ドリトル少佐(航空主任、六十八歳)
操艦しにくい旧世代艦の時代から操舵手をしている、艦隊の操舵手の中でも上澄みに位置する人物であり、アヴァターラ号の試験航海からずっとアヴァターラ号の面倒を見てきた。五年前に一度海軍アカデミーで教鞭を取るべく現役を退いたが不祥事の責任を取り降格処分を受けて現場に戻ってきた。その技量は本物だが、新しい時代の思考についていけないことも多々ある。老齢ではあるが身体能力は高く、ダンスや楽器演奏など数々の趣味を持っている。
ラタン・トゥイユエ(軍医長、三十二歳)
船で一番の腕利きと名高い軍医長。外科手術が専門だが、傷病者の処置はたいていお手の物である。
ロジカ・フリーマン(従軍記者、二十五歳)
効率を何よりも優先し、その場でできる最善のことを最短時間で達成するよう心掛けている。しかし持ち前の「厄介な良心」と称する人情から非情にはなり切れず、文官として政府官僚になることもできたが断念し新聞記者となった。想定できる範囲が広く、大抵のことでは動じないが実は小心者。研究者になる夢を諦めたことを、手に職をつけた今となっても後悔している。文章を書くことが得意で小説家として本も出している。絵を描くことも得意だがなぜか字は汚く、メモの文字に至っては他人には読めないほどのミミズ文字。しかし書いているメモは取材メモとして最高級の内容であるため、一部では盗用防止のための暗号と噂される本人も気にする程度には童顔で、かけているメガネは伊達メガネ。少し肥満の兆候がある体形をしていて、ストレスがたまると食事かデスクワークに逃げるため、新聞記者になってからというもの横向き成長がマイナスに転じたことがない。
空中戦艦「ヴァーマナ」
エリオン・ナトレア大佐(艦長、三十八歳)
荒削りな外見だがきめ細やかな性格をしており、文人艦長と名高い。多くの芸術に精通した文化人としてその道では有名な人物であり、特に水彩画とフラワーアレンジメントの腕はプロ級で、いくつか大きな賞を取ったことがある。戦闘時は望遠拡大機能のあるモノクルを着用するため、そちらが軍人としてのエリオンの本体であると噂されている。
重空中戦艦「シヴァ」
チャールズ・マクマトス大佐(艦長、四十八歳)
最新鋭の装備やロストテクノロジーの産物を搭載する艦隊最強の重空中戦艦「シヴァ」を手足のように操る極めて優秀な軍人。豪胆にして快活ながら戦術志向は細心にして繊細かつ用心深い。兵士の信頼を得るのがうまく、適切なガス抜きと適度な干渉の方法を心得ている。実年齢より少し老けた見た目をしており、白髪交じりの髪をオールバックにしたその姿は艦隊司令部でも名高い。
ムガロ王立海軍空中艦隊司令部
ウタカ・エーヴィア元帥(空中艦隊総司令官、六十九歳)
空中艦隊の革命児と呼ばれた、現在のムガロ王立海軍空中艦隊の姿を考案した人物。かつてミサイル戦艦にとってかわられた火砲戦艦の主砲をより大口径化させて復活させることを提案したのは彼であり、艦隊はそれによってはじめて長期的な経費の削減と敵艦隊をアウトレンジする強力な徹甲能力を手に入れた。
モーリス・ブラノ准将(司令部幕僚補佐連絡官、四十歳)
かつて地方都市「ラーユーン」で指揮官をしていたが、この都市を拠点とした作戦の折にその調整能力を見出され空中艦隊司令部幕僚と補佐官を兼任する幕僚補佐官の一人として、また司令部直属の連絡官として幕僚補佐連絡官の肩書を背負うこととなった。
ムガロ王立海軍空中艦隊司令部付作戦本部第一課
ソラン・サジラシス准将(参謀、三十一歳)
正体不明の天才戦術家。
スクーパ財団
オトマヤン・レヤル研究員(四十歳)
空間拡張技術及びロストテクノロジー解析の専門家。ハル艦長の古い友人。
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