I am a god ー神様研修センターにスカウトされた男の成長物語。「研修で神様に」という新しい宗教の形。

山谷灘尾

序章 この小説を巡って。

 この小説を書くに当たっては、特に日本史の謎や宗教、死後の世界や科学における謎と不思議が自分を惹きつけ、それらの興味関心を何らかの形にしておきたいと思ったことがきっかけとなっている。特に、最近読んだ梅原猛氏の日本史の暗部を鋭く追究した著作には創作のモチベーションを掻き立てられた。


 また最近興味が尽きないのは、量子力学における最新の研究が我々の認識を超えた範疇にあることである。しばしばそれら科学の仮説はこの世界の成り立ちや時間と空間における常識、果ては死後の世界などにも想像力を掻き立てられるソースとなっている。


 従来、日本において教養は文系と理系に峻別され、文系の私は理系知識に疎遠であったが、このような自らの存在自体に疑問を投げつけるような科学の知識はそのような文理系の峻別を超えることを認識する次第である。

 

 また、最近宗教の暗部が世間に晒され問題提起されていることも、大いに私にとって思索の契機を創ってくれた。宗教に関しては最近見た映画「沈黙」がキリスト教への関心を喚起してくれたと同時に、神道の根幹になっている「怨霊」と

その鎮魂の意味が私の宗教への興味関心を更に高めてくれたといえよう。


 これらをソースに、全くのフィクションとしてこの小説を上梓したいと思う。

従って登場人物は歴史上の固有名詞であってもこの物語の中では架空の存在として取り扱うこととするので、ご了承願いたい。


 また、久々に小説を書くに当たって気がついたことがある。それは小説の登場人物一人ひとりがやはり自分の一部分を正しく投影しているということである。それら人物がたとえ仕様のない悪者だったとしても、自分にとっては愛すべき存在であり愛しいということに気がついている。自身の興味関心や願望や欲望が全て露わになっており、自分自身を描いていると言っても過言ではない。


 読者の皆さんには是非お楽しみいただき、ご感想などいただけたらこの上ない幸せである。


2023年2月 吉日  

著者 山谷灘尾

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