第25話 備えあれば憂いなし(後編)
---主人公視点---
「それでお姉ちゃんはどれにスキル振るつもりなの?」
「そうね、
あるいはパッシブ・スキルに振るのが無難よね」
「それが無難ですけど、
あえて振らないというのも有りですよね」
と、エイシル。
彼女の云うことも一理あるわ。
でもここはあえてスキルを振るつもりよ。
「エイシルの云うことも分かるわ。
でも後で悔いが残らないように、
私はこの場でスキルを振るつもりよ。
どのみち私達は最前線で戦う事になるのだから」
「それもそうですね」
「ええ」
そして私は自分の冒険者の証と複写されたスキル表を見比べた。
スキルポイントは全部で30あるわ。
でも小刻みに振ってもあまり意味がないわね。
「お嬢様、スキルポイントはおいくつですか?」
「アストロス、全部で30よ」
「でしたらその30ポイントを全て一つの項目に
振るべきでしょうね、そしたら新しい
「ええ、そうね」
私はそう答えて、スキル表が書かれた羊皮紙に目を通していく。
見た感じ
他の
伝説の存在と云われる
こうして見ると、あくまで強い
まあ私は女神の
授かってるし、不老に加えて自己再生能力もかなり高いという利点もある。
それを考えたら、
ここは
30ポイント振れば、一つくらいは
どれどれ、今の
上げたとしたら、得られるパッシブ・スキルと
「とりあえず30ポイント全てパッシブ・スキルに振ってみようと思うわ。
能力強化系の
「ウン、オイラもそう思うよ」
「お嬢様のお好きになさってください」
「ええ、そうするわ、え~と……」
30ポイント全てパッシブ・スキルに振って得られるのは、
『常時・力+30』、『常時・知力+30』。
それと
能力の効果は、周囲の仲間の状態異常及び弱体効果を全て消す。
これは便利なスキルね、覚えておいて損はないわ。
「……決めたわ、パッシブ・スキルに全振りするわ」
私はそう云って、自分の冒険者の証に右手の人差し指で触れた。
すると『常時・力+30』、『常時・知力+30』をパッシブスキルとして習得。
更に
「あっ……力が漲ってくるわ」
「おめでとうございます。
ところで現状のステータスはどうなってますか?」
と、エイシル。
「そうね、今確認してみるわ」
私はそう答えて、再度自分の冒険者の証に視線を向けた。
どれ、どれ、おっ!?
---------
名前:リーファ・フォルナイゼン
種族:ヒューマン♀
職業:
力 :949/10000
耐久力 :1675/10000
器用さ :684/10000
敏捷 :1294/10000
知力 :1894/10000
魔力 :3313/10000
攻撃魔力:1825/10000
回復魔力:1956/10000
※他職のパッシブ・スキル込み
魔法 :ヒール、ハイヒール、ディバイン・ヒール
キュア、キュアライト、ホーリーキュア
プロテクト、クイック、アクセル、フライ
フレイムボルト、ファイアバースト、フレアバスター
ライトボール、スターライト、ライトニングバスター
スキル :結界、対魔結界、封印結界、戦乙女の陣
戦乙女の波動、戦乙女の祝福
武器スキル:イーグル・ストライク、ヴォーパル・ドライバー
ダブル・ストライク、トリプル・ドライバー
ハイ・カウンター、グランドクロス、
ライトニング・スティンガー,
シールド・ストライク
正拳突き、ローリング・ソバット、掌底打ち
能力 :予測眼 分析眼 魔力探査
能力覚醒、魔力覚醒、メディカル・リムーバー
---------
「おおっ! 凄い
お姉ちゃん、スゴいっ!!」
「た、確かに……でも心強いです」
ジェインとエイシルが驚きの声を上げる。
どうやら
私の
「これで下準備は終わりですね。
お嬢様、これからどうなさいますか?」
「そうね、用事も済んだし、
さっさとパールハイムへ行きましょう」
「「はい」」「ウンッ!」
そして私達は冒険者区の
一度でも足を運んだ事がある場所は、
各町の冒険者区には、
これさえあれば郵便物や交易品の郵送や輸送もかなり楽になるわ。
但し、有料である上に、商売上での使用は一日一回までに限定。
まあこのルールを定めないと、
色々と経済にも悪影響を及ぼすから仕方ないわね。
そして私達四人は
この日はパールハイムの商業区の中級の宿屋に泊まった。
翌日の7月7日。
既に多くの兵士達、冒険者及び傭兵達が
このパールハイムに集結していた。
ジェルバ侵攻部隊の侵攻ルートは、
パールハイムの東側の中央にあるベテオ山を迂回して東側へ行くと、
街道に出て、更に進むとレオフォーテの森がある。
そのレオフォーテの森を越えると、ジェルバに繋がる街道がある。
恐らく敵はこのレオフォーテの森で我々、連合軍を迎え撃つだろう。
いずれにせよ、負けられない戦いが続きそうね。
でも私は勝つ事しか頭がない。
「皆、これから先は厳しい戦いになるわ。
でも皆で力を合わせれば、必ず勝てるわ」
「はい、お嬢様」
「うん、お姉ちゃん」
「はい、頑張りましょう」と、エイシル。
そして私達は戦闘前の下準備をし終えると、
連合軍のジェルバ侵攻部隊に加わった。
――この作戦が成功するか、失敗するかで
――連合軍の、世界の命運がかかっている。
――だから私の手で必ず勝利に導いて見せるわ!
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