23日目、クロが火を吐いた!

◯月×日


その日、クロは朝から様子がおかしかった。


喉の辺りを掻いたり、咳みたく息を吐き出したり。


もしかして何かの病気?


シロも心配そうにクロの近くで見守ってる。


ドラゴンは怪我もすぐ治るし、病気にも強いらしいけど、絶対ならないわけじゃない。


どんな生き物だって、子供の頃はどうしても大人と比べれば体も弱い。


だから何かの病気になった可能性は十分にある。


急いで病院に電話して、通院用のゲージを取り出す。


キュン!


ーーーボッ!


そしたらクロの鳴き声と同時に小さな爆発音?みたいな音が聞こえた。


慌ててクロの方を見ると…


キュン!


ーーーボォォ!


クロの口からライターよりも2回りくらい大きな火が吹き出した。


これには私もシロもビックリ。


火はすぐに消えて、どこかすっきりとした様子のクロ。


なんかこう、毛玉を吐き出した後のシロみたいな表情をしてる。


一方シロは目をまん丸にして、尻尾の毛も膨らんでる。


驚きつつも逃げ出さないのはさすが。


とりあえず病院に電話する。


どうやら病気じゃなくて、火が吹けるようになる前兆だったみたい。


先生に詳しく聞くと、火が吐けなくて病気になったり、喉を傷つけてしまう子もいるんだとか。


一度でもきちんと火を吐ければ大丈夫だろうとのこと。


あと子供の頃は体に余剰な魔力が溜まると、無意識に火を吐くことがあるから注意だって。


燃えやすい物は近くに置かないように気を付けないと。


何はともあれ病気とかじゃなくてよかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る