ドラ猫日記〜ある日、ドラゴンを拾った〜

１０日目、なんか生えてる？

◯月×日

今日は朝から天気がいい。

風もないし、日差しも強過ぎない。

絶好の洗濯日和と言えよう。

布団も干してしまおうか。

清々しい日和に、思わず横になりたくなる。

我が家のシロさんも気持ちは同じらしく、日当たりのいい窓辺にすでに陣取っていた。

その横には当然のようにクロも。

確か変温動物は日向ぼっこして体を温めるんだっけ。

あれ、今更だけどクロはドラゴンだけど、変温動物？

見た目はトカゲだけど、いや、でもドラゴンは…？

今度動物病院で聞いてみよう。

ドラゴンは炎を吐いたりするけど、変温動物じゃ無理だよね…？

うーん、まだまだ知らない事だらけ。

おっと、洗濯しないと。

洗濯物を干して、シロとクロのお気に入りのクッションたちも陰干しする。

そうだ、そろそろクロを外に慣らさないと。

まだ子供のうちに慣らしておかないと、大きくなってからだと怖がってしまうかもしれない。

しつけと同じで、何事も慣れるなら早いうちに。

我が家の猫の額ほどのお庭だったら大丈夫かな？

なんて考えでクロをお庭に出してみたら…

キューン…

すごく切なそうに鳴きながら手のひらにギュッとしがみついて離れない。

尻尾も手首に巻きついてるし、いやだよ、おそとこわい！って感じに見上げてくる。

え、どうしたの？

窓ガラス越しには全然大丈夫だったのに。

とりあえず部屋に戻って窓を閉める。

ニャーン

するとシロが足元で鳴いて、クロが私の手から飛び降りた。

心なしかシロの目線が非難してるような…

確かに急だったし、クロを怖がらせてしまった。

ごめんねと謝りながら背中を優しくなでる。

ドラゴンは頭がいいらしいし、人の言葉も理解できるみたい。

きちんと説明してからゆっくり慣らしてあげるべきだったかな。

けどまさか目の前の庭もダメなんて…。