04
「ただいま〜!」
「おかえり、お姉様」
元気よく帰ってきたのは二条冬、俺のお姉様だ。弟の俺が言うのもなんだがマジで美人、おまけに胸もそれなりにある。
「泰〜今日のご飯何〜?」
「今日は親子丼」
多分どれだけ美人か伝わっていないかもしれないから説明すると、元の世界のそこら辺にいる芸能人の5倍くらい美人だ。この世界のテレビの人よりもものすごく美人である。
一度スカウトされたこともあるそうだが、『泰の元にできるだけ長く居たいからならない!』と断ったそうだ。ブラコンである。
ただそんなお姉様が俺は苦手だ。どきどきするからである。だってDTだぜ?そんなやつに女優級以上の人と暮らせって言うのが難しい。お姉様だからって理性が収まると思うな。
「泰も後一年で高校かぁ〜!どの高校行くか決めた?」
「ううん、まだ。でもお姉様の学校とかいきたいなって思ってるよ」
「えぇ?私のところ?」
お姉様が困惑しているのは理由がある。それは頭がいいことだけではない、男子がいないからである。
「やめといた方がいいって。貞操の為にも」
「でも俺、お姉様と一緒に学校行きたいんだ」
大体お姉様はお姉様と一緒〜とかお姉様のため〜とか言ったら許してくれる。
「え、そ、それなら…」
「ありがとう、お姉様」
ほらな、甘々すぎて許してもらえた。この世界に生まれて良かったぜぇ!!!
一応お姉様のところは俗に言う私立のお嬢様学校で女尊男卑が根深く残っているらしい。だから貞操とか関係ないと思うんだが…
「そうそう、5月に演奏会あるから泰くる?」
「演奏会?行っていいの?」
お姉様は吹奏楽部で年一の定期演奏会と不定期の演奏会がある。定期演奏会は3月にあり、定期演奏会は一ヶ月前に終わったばっかである。5月に開く演奏会というのは特別な理由がなければ普通開かない。
「うん!お母さんはいいって昨日言ってたよ!」
「いつの間に…というかなんで演奏会を?」
「先生が『新2/3年生だけの演奏会開きたいねぇ〜』とか言ったからそれを遂行する為に新部長と企画が掛け合ったらしいよ」
「へぇ〜…」
先生もなかなか変人だし部長さんも大変だなぁ…
「あとお母さんこれから3年くらい出張らしい!」
「え?????今聞いたんだけど」
「今言ったし!昨日泰が寝た後にお母さんが帰ってきて、イギリスへの出張が決まったって言って慌てて便予約して夜のうちに出て行ったよ」
「??????」
なぜお母様は俺に言わず出て行ったんだろうか。せめてメインで連絡してくれれば良かったのに。
「マジで意味わかんない。え?どゆこと?」
「お姉ちゃんにもわかんないけど、まあそう言うことらしいから!」
「えぇ…?」
確かにお母様はいろんなとこにいきなり出張にいって一ヶ月帰ってこないこともあったが三年?意味わからん。
この世界に来て15年、初めての出来事だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます