男女比1:700で楽しく生きたい!
月乃糸
01.
「生まれました!本当に元気な男の子です!!!」
「この子が…私の息子…」
「お名前はどうされるんですか?」
「そうね…二条家を豊かにして欲しいし…優しく育って欲しいから…泰にするわ」
俺、柳優希もとい二条泰がこの瞬間に生まれた。
いや生まれたというか転生したというかなんというか。時は転生前の最後の1日まで戻る。
その日俺は微熱があった。学校を休もうかとも思ったが、まぁ病状が悪化したら帰ればいいか程度に考えてとりあえず行った。
学校に着くと遅刻ギリギリで足つきもフラフラしていた。それでもちょっとしんどいくらいで頭は回転できていたし、授業は受けれたのでそのまま授業を受けていた。
病状が悪くなったのは3時間目の数学の時だった。急に吐き気がしてトイレに行って吐いた。さすがにもう無理だと思い保健室に行き早退届をもらって帰った。
足つきは生まれたての子鹿みたいだったと思うが、親は仕事でいなかったし、家には車を運転できる人もいなかったので歩いて帰った。
10分ほど歩いていた時、急な立ちくらみがして…そっからどうなったか覚えていない。
多分死んだのだろうが…なにぶん意識もなかったし…
ただ、これだけは言いたい。
我が生涯に一片以上の悔い有り!!!
だって彼女もいなかったし!DTだし!!ひどいぜ神様!こんな俺を殺すならもっとモテてるやつにしてくれ!!!
と…少し取り乱したが、転生できたのならいい。この世界で彼女も作ってDT卒業してやる!
幸い、母親?は顔が良さそう。というか欧米人とのハーフみたいな顔立ちしてる。クウォーターならいい顔立ちになるんじゃね??
期待に胸を膨らませる、転生初日。柳優希改め、二条泰のスタートだ。
〜〜〜
現在、多分帰宅途中。今、リムジンに乗っています。
自分でも何を言ってるか理解ができていない。
二条という名前からしてなんか公家とか、華族の家柄っぽいなとは思ったが…これガチガチの華族説ある?
「着きました。お嬢様」
「ありがとう」
母親が俺を抱いて外に出る。俺は驚愕した。
そこにはサマー○ォーズさながらの大きな門があったからだ。
「泰、これから少しの間ここで暮らすのよ」
母親が言う。俺は言葉を発すことができないので頷く。
「ふふ、いい子ね」
母親は高校生や大学生に見えるほどの美貌を持っていた。そんな人に褒められると悪い気はしない。
「お嬢様、叔母様がお待ちでございます」
さっきからメイド?の人が話しかけてくる。こう言うのって執事がやることじゃないの?
「叔母様もせっかちな方ね。すぐ行くわ」
「了解しました」
叔母様って言うのは…多分家長?なんとなく偉い人なんだろうな。
そうこう考えているうちに部屋の前へ着いた。母親…お母様でいいか。お母様がノックをする
「入りなさい」
「お久しぶりです。叔母様」
そこには60歳くらいの方と、2歳くらいの少女がいた。
「その子が泰かい?」
「そうです」
「本当によかったよ。20歳で2人目を産むなんて言うから心配してたんだからね。それに男の子を産んでくるなんて、我が家の誇りだよ」
「いえいえ、叔母様含め色んな方の協力がなければ産めませんでした」
「そんなことないよ」
叔母様は見た目に反して優しい口調で話している。少女はずっとこっちを見てくる。
「本題に入ろうか。雪、どの家に住むか決まったのかい?」
「それはまだ…一応長野や京都に住もうと思っているのですが…」
「仕事の問題かい?」
「えぇ」
「雪は社長なのだから京都に住んだ方がいいんじゃないかい?」
え、お母様社長なの??
「まぁそうなのですが…」
「1人で育てれるかって?」
「はい。長野ならここも近いですし何かあれば瑠璃にも頼れます。ですが京都となると…」
こんな感じで長い話があった。正直俺にとって長野でも京都でもどっちでもいい。
そして1時間ほどの討論の結果…
「京都にします!」
とお母様が発言したことによって住む家が決まった。
ただ、三ヶ月は一応何かあっても対応できるようにここに住むことになった。
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