愛があればいいのか
もしも俺が親になったら
きっと子供の視点を失うのだろう
親の大変さ、を知って
きっと子供の大変さを忘れるのだろう
今だって大人になったことで
子供の頃の苦悩を笑い話にしている
かつての絶望を単なる思い出にしてしまっているのだから
きっと忘れてしまう
子供にも心があること
もしも親になったら
きっと忘れてしまう
子供には独立した自我があり
自律した精神がある
だから想像もしなかったようなとんでもないこともする
人間だもの
子供はあなたの所有物ではない
子供はあなたの一部ではない
子供はあなたの思い通りになどいかないし
子供はあなたの”生きた証“などではない
彼には一個人としての人格があり
彼女には尊重されるべき意思がある
あなたとはまるで異なる別々の存在だ
ただあなたから生まれてきただけの
もっと優しくしてあげて、というか
もっと気をつけてあげて、というより
人間が人間を育てるなんて、おこがましいことだとは思わないかね
でも、この子供としての視点は
親になった瞬間たちまち消え失せるのだ
親は大人は大変だ大変だと嘯いて
子供を自分の一部だと勘違いするのだ
でもこれはちょっと仕方がないのだろうか
単なる人間の宿命なのだろうか
君もいつか大人になって、親になったら
どうせ自分がされたことと同じことをするようになるのだ
”今“の苦悩や絶望を忘れ去って
大人はいろいろ大変なのだと嘯いて
子供の頃の苦悩を笑い話にして
かつての絶望を単なる思い出にしてしまうのだろう
あるいは”それ“はその程度の話なのだと
単にそういうことで 俺が考え過ぎてるだけで
それでもなんだかんだ人類は何万年も続いているのだから
諦めてしまった方が 楽
俺としては、もっと話を聞いてもらいたかったんだがね……
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