神のちから人のちから
皆を統制するために必要なものは絶対の敵だ
敵の敵は味方、それで一つになれる
その敵として選ばれた者の一人が俺
誰かを痛めつけることでその結束が固くなる
罪が在るなら罰が要る
それで“善良”な者が自分自身を肯定できる
その本に書かれていることを信じ
彼の言うことを信じる
だから私は悪くない、と言うために
彼も彼女も、聖書も教科書もテレビも、
周りの世界は皆俺を詰る、責め立てる
それが“悪いこと”なんだと、
間違って生まれてきてしまったのだと
そう考えるに充分なこの世界
神様、俺は殺されるために作られたのか
それが神であろうと聖書であろうと変わらない
一般常識であろうと社会通念であろうと同じこと
誰かが決めた何かに従って生きている
他人を嫌うな妬むな憎むな汝の隣人を愛せよ
そんなこと人間にはできっこない 無理なんだ
だから無理だからこそ何かに縋らなきゃやってられない
そういう何かがいることにしてそういう存在のために一生懸命頑張って
そうしてちょっとずつでもなんとかして進まなきゃやっていけない
そしてその“なんとか”の辺りで人は人を殺すんだ
神様が居るのか
それとも神様が要るのか
神様が人間を支配してるんじゃない
人間が神様に支配されていたいんだ
命じられていることは山ほどあるはずなのに
それなのになぜ”それ“だけが問われるのだろう
そんなの決まってる 守れるものだけを守ってるからだ
世界の平和のためなら多少の犠牲はやむを得ない
それが不可避の事態なら仕方がないと割り切るしかないんだ
その”多少の犠牲“が君であろうと俺であろうと
神様がいてくれないと君は自分の幸福を追求できない
”神の名の下に“君は自分自身の利益を追求する
そして君は自分自身の醜さを見ないでいられる
神様は人間に体よく利用されているだけなんだ
ただそれだけなんだ
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