BALDANDERS

それぞれの楽園

言いたいことはわかるんだけど

あなたは非の打ち所のない完璧な人間を求めているのか

彼は議論がすごく上手で

何を言われても必ず打ち返せる

ただ完璧ではない

絶対の真理、永遠の真理は存在しないから

世界はケースバイケースで

どんな理屈にも必ず穴がある

だから僕らは争い合う

世界はケースバイケース

物事はケースバイケース

そうわかってはいるけど認めたくない

真実はいつも一つと信じてる

何も宗教に限ったことじゃない

“本能”や”自然の摂理“も謳われている

だから”これはこうだと言うが実際はこうじゃないか“

世界はケースバイケース、

何事も常に在り方は変わる、

その都度その都度一つ一つ考える、

それが苦痛で堪らない

面倒臭いんだ

人間はルールに従っていた方が楽で

多様性より単一性の方が楽で

”こうだ“と決めた方が決められた方が楽なんだ

そうこの世界には根元的な何かがあると

僕らは信じている

あるのかないのかわからないもののせいで

僕らはうまくできない

世界はビッグバンによってできたのかもしれない

あるいは神によって創造されたのかもしれない

あるいは世界は五分前に誕生したのかもしれない

あるいは

そして争い合う

僕らは夢見ているんだ

”ここさえどうにかすれば全部解決！“という展開を

僕らは望んでいるんだ

だけど事はそう簡単ではないとも知っている

でもどうすればいいのかわからない

だから”神様“や“自然の摂理”に縋れば

全部解決した気分になれるから

だけれどここは人間社会

関係主義、本質主義

相対的、絶対的

でも、結局は世界はケースバイケース

僕らの夢見る幸福はそれぞれに違うから

それぞれ異なる楽園を目指してる

せめて重なり合う部分を探せたらいいのだけれど

僕らはどうしてもうまくできない