日傘の君
例えば君も誰かから生まれてきて、
はいはいをしたりよちよち歩きをしたりして育って、
学校に行ったり、友達と遊んだり勉強したりして
そういう過去や歴史があるんだって事実が
なんだかとっても不思議
そう俺は奇跡の瞬間に立ち会っている気がするのだ
今この今も君はこの世界のどこかにいて、
俺と同じようにご飯を食べてお金を稼いで、
そんな風に過ごしているだなんてなんか信じられない
君は今何をしているんだろう
幸福な家庭を築いていたりするのかな
そんな君のあんな姿を見られたなんて
それだけで生まれてきてよかったと思えるのさ
君は何もかもを曝け出す光から
ほんの一時でも俺を守ってくれる
日陰の安らぎと優しさを教えてくれる
君にももちろん自我があって心があって、
ちゃんとこの世界に実在してて、
俺と同じ一人の人間であるなんて、
なんか信じられないほどに神々しくて
君も俺と同じ本や映画に親しんでいるのだろうか
君が聴いた音楽を俺も聴いただろうか
君もハンバーガーを食べたりするのだろうか
そういう一つの世界に俺たちはいるんだね
君よいずこ
君は今何をしているのだろう
君も年をとって、どんどん大人になっていることだろう
あの一瞬の煌めき、美が
今も俺に安らぎを与える
どこの誰かもわからない君が
俺に永遠の活力を与えているのだ
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