ポポポーポ・ポーポポ
アウ田
・
〜あらすじ〜
S県月宮エリアのボスを倒したポーポポたち一行は次のトロピカルアイランドエリアに来ていた。
「うわあー!ここが次のエリアトロピカルアイランドかー!」
コトリバコが歓声をあげた。
目の前には南国特有の透き通る青い海が広がっていたからだ。
「ぽー!」
「ポーポポも絶景でテンション上がってるね!」
ひょんなことから都市伝説狩り隊と闘う八尺様、ポポポーポ・ポーポポと行動を共にすることになったコトリバコはくねくねと巨頭オに口裂け女を仲間にしながら旅をしていた。
「あたしより綺麗であるんじゃねー!」
「ぎゃああああ!」
口裂け女が第一村人を血祭に上げてるのを横目に各々が観光や遊行を楽しむゆったりとした時間が流れていく。
「ヘーイ!楽しんでマスか〜!名物のパズル解きなんてどうでショウか?」
現地の人間が声をかけてきた、観光客向けのサービスのようだ。
土地柄もあるのだろう、みな気さくで陽気な人々だ。
「いいですね!ポーポポさんも、あっくねくねさんもどうですか?一緒に挑戦しましょうよ!」
「ぽっ」
「くねくね?」
「まあほとんど解けてあとはそこをそう…回すだけ!死ねぇッ!」
「ぎゃああああ!!」
「く、くねくねさんっ!」
突如くねくねが血を吐き倒れパズルの中に吸い込まれていった。
「ははは!引っかかったな!俺はこの都市伝説狩り隊トロピカル因習アイランド担当のリンフォンだ!」
「なっ!?都市伝説狩り隊の人間だったんですか!?」
「ぽっ!」
「お前たちの仲間を助けたくば我々を倒して見ろ!来い!ターボババア!人面犬!」
「トロピカル因習アイランドになんの関係も無い人選!!!」
「ポーポポさん!」
「ぽっぽっぽっ!」
「こんな綺麗な場所が偽物だったなんて許せない」
「巨頭オ」
「さあ都市伝説バトルの始まりだァ!先手は貰うぜ!来い!高波ィッ!」
突然海が荒れ、南国因習特有の高波が現れた!
「な、なんてデカさ!?逃げられない!」
「クククッ、あの高波を鎮めるためには生贄を捧げなければいけない!さあ!生贄の人間を選べ!」
「くっ、なんて卑劣な!生贄の人間なんてこの中には…!」
八尺様←怪異
コトリバコ←怪異
口裂け女←人間
巨頭オ←看板
「ポッポポ!(お前が行けぇー!)」
「ぐあああああ!おのれ八尺ぅぅぅ!」
「あっ!高波が収まっていきます!」
「どうやら高波を抑えられたようだな…しかしこれでお前達は一人減って圧倒的不利になった!」
「ぽぽっ(どうかな?)」
「何い?」
鎮まっていく波の向こうからサーフボードを巧みに操る口裂け女が現れた!
「私が一番綺麗なのよォッ!」
「ぎゃああああ!!」
「そうか!口裂け女さんはアクロバティックサラサラもバイトで出来るほどの高い身体能力!波乗りなんて簡単にできるんだ!」
「クッ、ならば次の因習を喰らえ!」
リンフォンが叫ぶと同時に凄まじい直射日光があたりに降り注ぐ!
「ぐああああ!」
「ぎゃあああ!」
夜中に現れることの多いターボババアと人面犬が眩しさのあまり叫びだす!
「人面犬!ターボババア!おのれ貴様らぁ!」
「なんで!?」
「みんな!こっちに逃げろ!」
「巨頭オ←」
巨頭オの矢印に従って避難を始める一行。
とある廃村に辿り着いた。
「この日照りを収めるためには生贄を捧げなければいけない、人間で無くても良い…頼む!人面犬とターボババアの為に誰か差し出してくれ!」
「なんで敵に懇願されてるんだろ」
もちろん名乗り出るものなんて居ない、そう思われたその時。
「巨頭オ」
「巨頭オさん!?」
巨頭オがおもむろに廃村を飛び出した。そして日照りに身を焼かれる巨頭オ。
「きょ、巨頭オ!無茶だ!お前の古ぼけた木の看板の身でその日光は耐えられない!」
「ま、まさかあの巨頭オ、わしらの為に…?」
「巨頭オさん…っ!」
感動に打ち震えるターボババアと人面犬。
「敵だよね?」
ついに巨頭オは経年劣化で中折した。
「きょ、巨頭オおおおおおおおお!!!」
空に浮かぶ半透明な看板。
巨頭オ、ここに死す。
「貴様らぁ!よくも巨頭オさんを!許さん!」
「巨頭オさんの仇、わしが取る!」
「巨頭オさんに地獄で詫びろぉ!」
「さっきから敵に一番味方面されてる巨頭オさんかわいそう」
「ぽっ(巨頭オの事は…残念だったな。しかし同情はしない!ここを巨頭オと貴様らの墓場にしてやるよ!!!)」
「それでポーポポが一番敵みたいなこと言ってる!」
「次の因習だ!セックスしても出られない島!ここではお前ら渡来人には島民たちと子孫繁栄に励んで貰う!一生な!来い!村人たち!」
「いきなり方向性の違う因習が来たな…」
廃墟だと思っていた建物から人が続々と出てくる、廃村だと思っていたが集落だったようだ。
かなりの人が居る、そしてみなバナナ片手になにか薬物のようなもので興奮している。
「ど、どうしよ…」
「醜いわね…」
「ぽっ!(こっちだ!)」
八尺様が人垣の薄いところから集落の出口を目指しそれに続く一行。
「ははは、無駄だ!この因習からは逃げられない!捕らえられたら最後!死ぬまで子を産まされ続けるのさ!」
「ひょええ、助けてくだせえリンフォンさまぁ〜!」
「ぼ、ボクと君たちとでは種族が違うんだぞぉ〜!」
「あああっ!私の仲間がまっさきに捕まったぁ!」
ターボババアと人面犬が村人たちに組み敷かれている。
「さっきから自爆しかしてないなあの人達!」
「クッ、今は逃げるしかない…こっちだポーポポ!」
「すぐに見捨てた!」
集落を抜け出し森に隠れたポーポポとコトリバコ達だったが、次なる因習が襲い掛かる。
「ウキーっ!貴様らを水神さまの生贄にするウッキー!心臓よこすウッキー!」
「しまった!ここは水神を祀る猿たちのエリアだ!」
「派閥があるんだ」
正面の猿に気を取られてる内にリンフォンが背後から忍び寄ってきた猿に羽交い締めにされた。
「ぐああ!」
「ぽっ!」
「く、俺はここまでのようだな…しかし俺には奥の手がある!出てこい!くねくねェッ!」
リンフォンがパズルを逆向きに回しだすと見覚えのある白い手足がにゅっと飛び出してきた。
「「「「「う、ウギィィイイイイイイイ!!!」」」」」
くねくねを見た猿たちは発狂した。
奥で事態を観察していた水神も発狂した。
集落から追いついた村人たちも発狂した。
連れられてきたターボババアと人面犬も発狂した。
リンフォンは逆パズルを完成させた瞬間に粉々に砕け散った。
「くねくねさん!よかった、助かったんですね!」
「ぽっぽっ!」
「ふん、あなたの醜い顔がないのも寂しいものね」
「巨頭オ」
「くねくね」
こうしてトロピカル因習アイランドをクリアしたポーポポ達の旅は続く。
ポポポーポ・ポーポポ アウ田 @autra
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