十二
したがってその間のことについては、別に取り立てて申し上げるほどのお話もございません。もししいて申し上げるといたしましたら、それはあの強情な
ところが一方良秀がこのように、まるで正気の人間とは思われないほど夢中になって、屛風の絵を描いておりますうちに、また一方ではあの娘が、なぜかだんだん
ちょうどそのころのことでございましょう。ある夜、
するとお廊下が一曲り曲って、夜目にもうす白いお池の水が枝ぶりのやさしい松の向うにひろびろと見渡せる、ちょうどそこまで参った時のことでございます。どこか近くの部屋の中で人の争っているらしいけはいが、あわただしく、また妙にひっそりと私の耳を脅しました。あたりはどこも森と静まり返って、月明りとも
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます