炭酸水に道徳心を溶かして。
ネクラギ。
第1話 ▓
教師は言った。
『先生は言った、』と。
そしてこの場に居る生徒がもしも教師になったら
再び『先生は言った』とでも語り始めるだろう。
そんな教室の窓から訪ねてくる冷たい風は
廊下側の窓から違う教室を巡るだろう。
最近は御時世で無いが家庭訪問に追われた
教師の様に。
感情のない雨が海になり情景になったり
生きる植物を育て活きる人間はそれを喰って
静かな血流に生かされてる。
そう、循環で生きている。
循環に仲間外れにされると殺される。
殺されると思う様な考え方を持った
私は深く只今叱られていた。
先生の教師が資料問題は最後から
解き明かす方がやりやすい場合があるという
ありがたい時間埋めのお話中だったのだ。
社会の時間は「シャー芯」が絶妙に短く、
出て隠れを繰り返しているのを
不思議に感じながら0.5mmのシャーペンに
持ち替えて終わった。
音楽の時間は心のない
ベタ塗りの様な声で合唱に潜む。
最近は素顔を隠して活動する人達が
居るのか、必要ない事も気にしながら
階段を登り家に帰る。
捻くれた者の割には
普通の時間を刻んでいたつもりすらない
日常のはずだった。
炭酸水に道徳心を溶かして。 ネクラギ。 @neclagi_Guna
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