シニングアウト
@SIKISAINAEDOKO
第1話
人類間引きプロジェクト
突如政府から提示された計画。
内容は以下の通りである。
一、全日本国民は2023年12月31日に大型船、
黒刻丸に行かなければならない。
ニ、プロジェクトが開始され次第、殺人許可証所持者及び、日本軍人が残命人を終了に向かう。
黒刻丸入船条件
一、人間である事。
ニ、人一人につき、一千万を用意しなければならない。
12月31日
俺の名前は道影 累
都内の高校に通うごく普通の高校生だ。
「母さんテレビ見た?12月31日までに、一千万用意しないといけないんだって。」
「アンタあれ本当に信じてるの?どうせ直前で中止になるわよ。」
母は呆れたように返す。
「でも本当に起きたらヤバいよな。」
ニヤニヤしながら父がそう返す。
「まあ大丈夫か。」と学校に行く準備をする。
8時30分
俺は嫌な顔をしながら学校に登校した。
「よお累、お前はまた遅刻かw」
こいつは友達の中山 綾(なかやま りょう)。
道影「一限が8時45分からなのが悪い。」と、俺がひねくれた答えを返す。
そうして俺は昼休みまで、寝て過ごした。
昼休み
クラスメイトの会話は間引きプロジェクトで持ち越しだった。みんな一千万用意できたかどうかについて話し合っている。
「馬鹿な奴らだ。どうせ間引きプロジェクトなんて行われる訳ないのに。」
俺が戯言を言っていると、綾が話しかけて来た。
「案外起こるかもよ〜w」
こいつの喋り方はなんか鼻につく。
「いやありえないだろ。法律ガン無視じゃん。」
的な会話を綾としていた。
綾によると、今日の17時に始まるらしい。
何事も無く学校が終わり、家に着いた。テレビをつけたらどのチャンネルもプロジェクトで持ち越しだった。
その時、テレビ中継で避難先の船である黒刻丸が写っていた。
(え、?マジで行われるんじゃね?)
「母さん、俺と、母さんと、父さんの三千万あるよね?」
その時母は一瞬止まった後、「もちろん、あるわよ」と言った。
16時
黒刻丸が止まってる港に着いた。かなり大勢の人がいた。検問所があり、そこで金を直で渡すらしい。
「入れてください!!こっちには子供がいるんです!!」
四方八方でそのような奇声が聞こえている。
おそらく一千万用意できなかった人達だ。
ようやく俺達の番が来た。
「よし、一人一千万だ。一人ずつ手に持て。」
と、職員らしき人が言っている。
「え?父さん俺の分は?」
俺が父に問いた。すると父は
「すまん持ってき忘れた。おそらく家のポストに入ってるはずだ。とってきてまたここに来なさい。」
「は?」
「どういう事だよ、おい」
俺は父の言ってる意味が分からなかった。
その時の父と母の顔は、笑っていた。
子供ながら両親の言っている事が、嘘であると分かった。そして、両親は船の中に入った。
なんとなくこのプロジェクトの意味が分かった気がする。おそらく一千万も用意出来ないやつは、死ねって事だ。
俺はダメ元で家に帰りポストを見たが、やはり何も入っていなかった。
俺は両親への怒りと共に、船へ乗る方法を考えた。
「乗ろうとしてる奴から、奪えばいい。」
我ながら考えてる事が、終わっているがしょうがない。自分が生きるためだ。
16時45分
船に乗ろうとしてる老人を見つけた。
「やってやる。」
すぐ背後まで来た。俺は金が入ってるケースに手を伸ばし、奪おうとした。
「ちっ くそが」
俺はギリギリで手を止めた。俺なんかに奪う
度胸なんてない。
16時55分
もう少しで始まる。俺はボーっとしていた。
「アンタ、 大丈夫か?」
俺は声をかけられた。
「あぁ、すいません。どなたですか?」
と、俺は返した。
すると男は
「俺は石守 優(せきもり ゆう)。君と同じように船に乗れなかった人達をかくまってる所があるんだが、一緒に来ないか?」
と、言ってきた。
「分かった。そういう事なら一緒に行かせてくれ。」俺は首を縦に振った。
17時
遂に始まった。
シニングアウト @SIKISAINAEDOKO
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