八 「浴室の鏡の噂」 匿名
小学生の時に流行った噂についてです。噂というか都市伝説?
もしかしたら、この学校にも知ってる人がいるかも。
ネットで一時期流行ってた、「お風呂で『だるまさんが転んだ』を頭の中で唱えてはいけない」っていう話。
あれに近い話で、「お風呂の鏡の前で、目を瞑りながら頭を洗っているときに、白い女の顔を思い浮かべてはいけない。」っていう話だった。
そもそも、誰もその「白い女」の顔を知らないのに、思い浮かべてはいけないって言われても困るんだけど、それが逆に不気味で、流行った時には私は頭を洗う時には必ず目を開けて洗ってた。
流行ったのは6年生の時だから、5年くらい前。
こういう噂って、だいたいクラスの男子がやってみたけど何も起きなかったよとかって自慢すると思うんだけど、この噂に関しては誰もやろうとしなかった。
というか誰もその白い女の顔を知らないからできなかったんだと思う。
本当にそういう女がいるのか、頭の中で思い浮かべた顔が白い女の顔ってことになるのかもわからない。今思うと本当に曖昧な都市伝説。
やってしまったらどうなるかってのもいろんな話があって、
「鏡から手が出てきて鏡の中に引っ張られる」
「目を開けると鏡に白い女が写り込んで、見ると呪い殺される」
「発狂して精神病院に入院する」
こんないかにも小学生が思いつきそうな話ばっかり。
ただ、一回だけ、その白い女の都市伝説のせいじゃないかって事件があった。
それが、私の同級生の女の子のお兄ちゃんがお風呂の中で血を流して死んだ事件。確か高校生だったと思う。
頭から血を流して死んでたんだけど、不思議なことにお風呂のどこにもぶつかった跡がなくて、警察には最初、家族の誰かが殺したって疑われて、その女の子が泣きながら相談してくれた。
最終的には、凶器も見つからないし、シャワーでぶつかった場所の血が洗い流されてわからなくなっただけっていうことになって、事故ってことになってた。
でも、今の警察でもわからないことなんてあるんだろうかみたいな話で、死んだのがお風呂ってこともあって、その白い女の都市伝説のせいだってみんな噂してた。
その同級生の親子は、引っ越して今はもうこの街に住んでない。
今でもこの都市伝説って、小学生の間で流行ってたりするのかな?
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