第4話 じりつしん

 一歳


 自分一人でミルクを飲みたがる。


 膝の上に誘っても、断固拒否である。


 頑として一人で飲みたいらしい。


 自立である。




 ※ ※ ※




 頭を支点に、でんぐり返しを一人でした。




 ※ ※ ※




 紐を引っ張りきった後、背中を押すと自走をする猫を買い与えていたのだが。

 自分で紐を引っ張った後、猫の背中に乗ろうとしていた。


 乗って走りたかったのだろうか、と思った。


 残念ながら、その猫は母の掌サイズであるので、無理だ。




 ※ ※ ※




 いよいよ自分でクッションを用意するようになった。

 ミルクを作って手渡すと両手で持ち、ぷりぷりとしたお尻を振りながら整えた場所へといき、寝転んで飲んでいる。

 ある種の悠々自適の絵柄が、そこにあるような気がしている今日この頃である。

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