第3話 ちあう!

 二歳 クリスマス


 ニチアサアニメの玩具がいいということで、ステッキを贈る。

 早速箱から出し、父に電池を入れてもらった。

 音が鳴り、某キャラクターのように振り回し、ご満悦。


 ――と思ったら、「ちあう!」


 である。


 一体何のことだ? と思うも理由がわからない。

 本人は不満らしく、父を箱のところへと連れて行くと、また「ちあう!」と言う。

 だがしかし、ちゃんと正規品の玩具である。


 父の頭には『?』が沢山のようだ。


 それを見てふと、もしかしてと思い声をかけた。


「もしかして、変身したかったの」


 こくり、と頷く幼児。

 確かにCMでは女の子が変身するのである。

 創作物と実在の境目が発達上まだないので、玩具で変身ができると思ったらしい。

 変身できるよとは言えぬ。

 仕方なしにそれでは変身できないということと、テレビの仕組みを教えた。

 理解したかは不明だが、ステッキ一本で変身できないことは理解した模様。


 母としては変身させてあげたかった次第。


 ステッキ一振り変身玩具。

 どうですか、玩具会社さん。




 ※ ※ ※




 ボタンが自分でとめられるようになった。

 嬉しいらしく、母のパジャマのボタンを全部とめる。


 見ていると、とても真剣な様相。

 眼力がすごい。


 可愛いのである。

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