VSフォルティス・サクリフィスⅢ
水と火が接触すれば、少なからずその度に水蒸気爆発が起こり、白い霧が立ち込める。その霧は超高温で、生身で触れれば火傷間違い無しな危険な環境に変わる。
それを俺達は超近距離で何度も繰り返したんだ、当然互いの皮膚は焼け爛れ痛みを感じる。
実際離れたのも、向こうも恐らく1度回復するために離れたんだろう。だから回復する間無防備にならないために大きな生物を模した魔法を使った。
クソ野郎回復しているであろう時に、俺はさっきエリクサーを飲んだ時と同じ手順でポーションを飲み、飲みながら地面へと水を張り巡らす。
当然この後の展開の仕込みのつもりだったが、どうやらクソ野郎も似たことを考えていたらしく、途中で水が何かに弾かれる感覚が有った。
クソ野郎を睨めば、クソ野郎は額に筋を立てながら笑顔を返して来る。
怒りたいのは俺の方だ。
まだ回復しているらしいクソ野郎に攻撃をするべく足を踏み出した、その時、悪寒を感じて咄嗟にトラトトを振るえば、手にしっかりとした何かの攻撃を弾いた感触が伝わってきた。
現状で考えられる攻撃と言えば、風属性の魔法だろう。
俺が持ってない物を平気で自慢するかのように使って来るクソ野郎への嫉妬心と怒りで沸騰しそうな頭を鎮めるよう努めつつ、目に魔力を回して魔力を視る眼へと切り換える。
するとわかったことだが、どうやら環境を変えようとしていたのは俺だけでなくクソ野郎の方も同じだったらしい。これまでクソ野郎が通った所に固定されたかのように配置された風の刃がいくつも視れた。
本当に腹立たしい。クソ野郎の戦い方は、弱者が強者に勝つために弄する小手先そのものだ。生まれながらに強者側の奴が、俺達弱者側の戦い方をしてくるんじゃねぇよ。
水の腕全てを鞭のような触手に形状を変え、写る全ての風の刃を水の蛇と火の鳥が絡み合い殺し合う空間を掻い潜って1つ1つ完膚なきまでに潰して行く。
途中、俺の意図に気付いたらしいクソ野郎が風の槍や針を飛ばして来たが、それ等も悉く水の触手かトラトトで潰す。
「鬱陶しいよサース!」
「テメーの方がな!!」
地中、地上、空中、全ての空間で魔力を用いてぶつかり合う。
だが、あぁだが、忌々しいかな、どれだけ俺の魔力回復速度が人間の域を越えていると言われても、所詮出力は総魔力量依存だ。時期にそもそもの力不足で押され始めた。
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