第1話

ずっと待っていた。

みんなが大人になって幸せな生活を

送るのを。

ずっとずっと。

これでやっと僕の復讐が始まる。


僕はなぜか学生時代、いつもいじめの対象

で、男女関係なく嫌がらせをうけていた。

気が弱くて言い返したり、やり返したり

できなかったせいもあるかもしれない。

でも、だからといっていじめをしていい

なんてことはないはずだ。

僕は君たちのストレス発散のために生まれてきたんじゃない。

生き地獄をずっと味わってきた。

君達にも同じ思いをさせてあげる。

まず最初は君だ。


君は小学生の時から中学までずっと僕を

いじめ抜いてきたね。

ここまでくるともうめてあげよう。

よく飽きもせずいじめ続けてきました。

褒美ほうびに良いものを見せてあげる。

これが見えるかい?

これはなーんだ?

そう、君の一番大切な人だね。

可愛い女の子に育ったね。

どことなく君に似ているよ。

僕は縛っている彼女を橋の欄干らんかんに立たせた。

同じく縛られて地面に座っている君は何か

言いたげにこちらを見ている。

「質問があるんだ」

僕は彼に問う。

「君の一番大切なものはなーんだ?」


「お願いだ。娘を離してくれ」


「答えになってないよ。

僕は質問してるでしょ?

君の一番大切なものはなーんだ?」


「娘だ!娘が一番大切だ!」


その答えを聞き僕は満足して笑顔で

言った。

「この子が一番大切なんだね」

そう言って橋から突き落とした。

君は泣きながら娘の名前を呼んでいる。

今日は水が引いていて川底も見えてるね。

しばらくして地面に叩きつけられる音が

聞こえてきた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る