お好みは、夏の雨?冬の雨?
鳥野雄(トリノユウ)
1.天気は雨
今日は雨が降っていた。それは今の時期珍しくない雨が。
「さ、もうそろ行くか。」
俺は教室で唯一の友達と教室から出る準備をする。
「あっ、おいおい水城、忘れ物。」
「おう、ありがと晴兎。」
俺は忘れそうになった荷物を持って、教室を出ようとした時、
「おい、待ってくれ。そこの二人。」
急に話しかけられた。俺達はその話してきた人に目線を向ける。その先には、俺達の担任の先生である金剛先生だった。この先生、見た目は男みたいだが性別は女だ。まさしくボーイッシュな感じの先生だ。
「えー、左にいるのは梅雨利水城だな。右いるのは春水晴兎だろ。僕は二人に話があるんだ。」
一体、なんなのだろうか。話とは。なんか俺達、悪いことしたか?と思っていると、
「二人は確か、部活に入ってなかっただろう。だから、部活に入ってもらう。」
え、何で。この学校はそういうの自由だったと思うが。俺は気になって聞いてみる。
「そういうのはこの学校って自由だと思うんですが………」
「あーそれがさ。いきなり校長が全校生徒に部活に入れさせようってなってさ。本当に困った困った。」
マジかよ、と思った。すると、隣にいる晴兎が金剛先生に話し掛けた。
「では、何の部活に入部すればいいですか?」
話の飲み込みが早いな!まぁ昔からだもんな。飲み込みが早いのって。
「では、これから二人に入部してもらう部活は…………」
一体どこだ?運動部系はナシにしてくれ!
「天気部だ!二人に入部してもらうのはそこだ!」
え、天気部?噂には聞いたことがあるが天気部って最近俺達と同じ一年生が作った部活でなんか校門前でメガホンで宣伝していたらしい。
…………なんかヤバそうだけど大丈夫か?
すると、金剛先生が、
「二人は今から時間空いてるか?今から天気部に顔を出すんだが着いてきてくれるか?」
「はい。僕は大丈夫ですが、水城は予定とかある?」
「あぁ大丈夫。俺も着いていきます。」
「そうか。じゃあ着いてきてくれ。」
俺達は荷物を持って教室を出る。先生が教室の鍵を閉める。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます