第16話 十番隊―戦闘開始
基本的にコロニー付近でビームライフルを
「多いな……」
想像していたよりも数が減っていないワームビーストにラスターが
宇宙に散らばる
そう、
具体的には、シズハラ大隊長が発射していた連結式ライフルから放たれたビームが敵に当たる事なく拡散すると、五回程で一体ぐらいは増えるのであった。
一方、八M級に
つまり五百体の敵に対し、増えるのも計算に入れて、一回の出撃で二百体ずつ、合計六百体の
だというのに、目算では百体ぐらいしか減ってはいないように見える。
今いる四百体の半分を
失い続ける戦力にどれだけ
「フォーメーションα」
「
各自、十番隊の守備
「切り
ケニスのアドバイスを聞きながら、ラスターはビームライフルを撃ち始める。
射線をピッタリと合わせているのなら、連射モードを使ってもいいのだが、基本は単射を連続して撃つ方が、より多くのビームを撃てるのであった。
そして今は、下手な射撃も数撃つしかない。
「やべ、なんか
危機を感じたケニスが
フランは一体一体集中して落とし続けており、ラスターに関してはリーフ隊長のアシストが入るため、目の前にいる敵の数はそこそこ減っている。
結果として、倒した量が少ないために、弱点だと思われたケニスの所にどんどんワームビーストは増えていく。
「ラスター、ケニーを中心にフォーメーションδ」
「了解」
ラスターとフランは
「ありがたいけど圧がヤベェ」
三人分のワームビーストが合流したため、ケニスから見ても、量として倍以上には増えてしまうのであった。
「
ラスター達はフランの指示に従い、ビームライフルの引き金を引き続ける。
「このタイミングが一番心臓にヤバい」
敵を撃ち倒しながらも、徐々に戦線を下げさせられて
「いや、今が一番楽かもしれんぞ」
「楽?」
「俺様のお通りだぁ!」
ボコッ……と音はしないが、
「残りは任せろ!」
通信機からは更に女の声が――シズハラ大隊長の声と共に、ワームビーストに向けてビームが
二人の隊長によって、目の前の敵が
「ヤベェな。うん、ヤベェ」
「ヤベェしか言えないの?」
ヤベェを連呼するケニスに、フランが
「では諸君、
そう言い残すと、シズハラ大隊長はコロニーへと帰っていき、二番隊隊長のガレスも別の戦場へと
「こっからが正念場だぞ」
「了解」
隊長の
敵が近づき、リーフ隊長が先行して
「大隊長によって戦術は変わるんだな……」
ラスターが感心したように呟きながら、近くの敵を
シズハラ隊長の場合は、後ろに
ガレス隊長の場合は前線に
狙撃がやりやすいように、立ち回りを考えなくてはならないシズハラ大隊長。
散り散りの敵を撃ち倒し、場合によっては後方援護に入らねばならないガレス二番隊隊長。
どちらかと言えば、ラスターは後者の方が楽に感じる――なんたって考えることが少ない。
やってくる敵をせっせと処理しているラスターに、フランが
「あなた! 通信範囲
下側の方で集結しているワームビーストに対して、周りのものが援護として向かう中、棒立ちのラスターに向けて
通信範囲を広げてず、報告を聞かずに無視をしていれば当然であろう。
だが――報告は聞いてはいないが、気づいていない訳ではない。
「上から……bの2あたりにも敵が来てるんですがどうします」
「えっ?」
「ちょっと
率先切って急ぐほどではないが、下の三十体あまりに対して、
それどころか、そちらにかまけていると上側の対処が
百体に
(でも、この位置なら放置すべきなのか?)
「マジだ……」
レーダーを走らせていたリーフは
十番隊の守備範囲からは外れているが、補助は必要な範囲であった。
「ラスター、フラン、我々は座標b2の敵を処理する」
「了解」
「りょ、了解!」
そして、三機は上側に向けてブーストを
「どうかしたんです?」
近くにいた八M級のReXの操縦者の不思議そうな声が通信機から響く。
「ワームが二十体以上接近している」
「えっ!?」
他のメンバーは逆の方向へ、二番隊の隊長機も別の場所で応戦している。
「二人とも、援護してくれ。行ってくる!」
そういうと同時に、リーフ隊長は敵陣へと飛んでいく。
近づいたと言っても、ラスターが最初に
その後ろから、ラスターは追いかけると、ワームビースト十体に赤色の光――レーザーポインターで照準に捉えていることに気づく。
十本の細く長い光がワームビーストを
近くの敵までついでとばかりに焼いていくと、フランの楽しそうな声が響く。
「雑魚処理行くわよ!」
楽しそうな声でフランが言うと、ビームを撃ちまくる。
「当てるなぁ……」
フランの命中率はざっと九割。
AI補正のおかげでワームビーストに近づけばラスターでも九割を狙う事は不可能でないが、これほど距離があると五割
よろよろと近づくワームビーストに向けて、ラスターも撃つのだがふわりと
「……
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