“私ね、君の初恋の女の子なんだよ”と突然言われた俺だが、、、!?

神石水亞宮類

第1話 “私ね、君の初恋の女の子なんだよ”と突然言われた俺だが、、、!?




“私ね、君の初恋の女の子なんだよ”  と



通りすがりの女の子に突然言われた俺!

でも? “俺の初恋の女の子とはかなりかけ離れている!”

いつも笑顔で可愛らしい女の子だったのだが......。

俺の前に居る女の子ときたら? 体重100キロは超えているだろう巨漢で

眼鏡をかけた、“一度も彼氏を作った事がないであろう女の子。”

まさか!? この子が俺の初恋の相手の女の子なのか!?



『・・・ま、まさか!? 江下雪風ちゃん?』

『そう! 廣川りく君だよね。』

『・・・ううん、』

『偶然だね! 私、りく君見て直ぐに分かったよ。』

『・・・あぁ、そうなんだ、』

『中学生の時、私に“初恋の相手”だって言ってくれてたじゃん!』

『えぇ!? そうだっけ?』

『今時間ある? 食べ放題のご飯食べに行こうよ。』

『ご、ごめん、俺これから用事があって直ぐに行かなくちゃいけないんだ。』

『じゃあ、LINE交換しようよ! また連絡するし!』

『・・・あぁ、でも俺、携帯家に忘れてきたみたいだし。』

『ふーん、でもまだ実家だよね? 家に連絡するね。』

『あぁ、ううん、』

『じゃあね!』

『・・・あぁ、』



・・・俺の初恋の相手が、まさか!? あんな風に変わっているとは?

中学生の時までは一緒だったけど、めちゃめちゃ可愛かったのに。

なんであんな事になってんだよ! “俺の淡い恋心を返せ!”





 *




彼女と会って3日後に実家に電話が鳴る!

まさかな、彼女がマジで実家に電話をかけてきた。

俺は冗談で言ってると思っていたのに、家にまでかけてくるなよ。

しかも? 親も彼女の事はよく知っている。

なにしろ、俺が彼女を好きになった時に親兄弟に彼女の事を何度も

しつこく話していたからな!



『もしもし? 廣川りく君のお宅でしょうか?』

『はい、どなたですか?』

『私は、江下雪風と申します。』

『えぇ!? “りくの初恋の相手の雪風ちゃん?”』

『あぁ、はい! お世話になってます。』

『あらあら? りく、雪風ちゃんから電話がきたと言えば? 

あの子、腰抜かすわよ。』

『えぇ!?』

『“だって! りくは雪風ちゃんが一番大好きだったんだから!”』

『私も、今でもりく君がそう想ってくれていたら嬉しいです。』

『ちょっと待ってね! 直ぐにりくに代わるから!』

『“ありがとうございます、りく君のお母さん!”』

『いいのよ、お母さんで!』

『はい!』




俺以外の家族は、彼女をとても気に入っていた。

まだ俺が彼女の事を好きだと思っているからだろう。

でも? 実物の彼女を家族の皆も見れば、気が変わるはずだ!

彼女は俺も呼んでいないのに、勝手に実家に遊びに来た。



『すみません、お言葉に甘えて! 遊びに来ちゃいました。』

『えぇ!?』

『・・・・・・』

『あらあら? 雪風ちゃん! さあさあ中に入って!』

『・・・か、母さん、』



俺も兄弟達も皆、面影が全くない俺の初恋の相手をポカンと見ていたのに

母親だけは違った。

あの頃と何も変わってないようなそぶりで彼女と仲良く話している。

しかも? 母親が俺にだけそっとこう言ったんだ。



『アンタ! いつ、雪風ちゃんと結婚するのよ!』

『えぇ!?』



ズケズケ来る彼女に俺はタジタジで、、、。

母親は俺とは逆で彼女を完全に気に入ってしまった。

このまま行くと? 俺は“初恋の相手の彼女と結婚させられるかもしれない”

と俺は恐怖で眠れなくなった。

完全に不眠症に陥る。

どうか、俺の傍から彼女が離れて行ってくれる事を祈ります!

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“私ね、君の初恋の女の子なんだよ”と突然言われた俺だが、、、!? 神石水亞宮類 @kamiisimizu-aguru

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