第8話 危険な子供
どうも、小さいおじさんです。
今日も近場の森に来ています。
前回は人間の事に詳しい仲間がカラスに連れ去られてしまい、私も身の危険を感じて諦めてしまいましたが、今回こそは森の動物たちと再び意思疎通が取れるまで諦めるつもりはありません。
どこかに動物はいないかと森の中を探し回っていると目の前にリスが現れました。
リスの身体は私よりも一回り大きく動きも素早いので、もし近づいて行って意思疎通が取れずに襲われたらひとたまりもありません。
何とか安全に意思疎通を取る方法はないかと悩んでいると突然リスが何かに反応したかと思うとどこかに走り去ってしまいました。
どうしたのかと辺りを見回してみると遠くから人間の幼い子供が森に入ってくるのが見えました。
どうやらリスは人間の幼い子供の足音が聞こえて逃げていったようです。
人間の事に詳しい仲間が言うには昼間の人間の幼い子供は好奇心旺盛で私たちの姿を見ると追いかけ回されたりして危険なんだとか。
先日部屋の中に入れてくれた人間の子供は大きかったので私に危害を加えてくる事はなく、私も寒さに我慢できなかった事もありそんな事は気にしていられませんでしたが。
ですが、この人間の幼い子供は見るからにイタズラが好きそうで、見つかったら面倒そうなので私は近くの木にできた樹洞の中に隠れて子供をやり過ごす事にしました。
よく見ると、その子供は片手に虫かごを持っているのでどうやら虫捕りに来たらしくキョロキョロと虫を探しながらこちらに近づいてきます。
仕方なくそのまま子供がいなくなるまで隠れてやり過ごそうと息を潜めているとシュッ!シュッ!と何かを擦るような音が聞こえたかと思うとシュー!と大きな音が聞こえた直後に私が隠れている樹洞に何かが勢いよく入ってきました。
「ゴホッ!ゴホッ!」
樹洞内はすぐに煙で満たされ私は咳き込みながら樹洞から出ました。
「煙たいよバカ!」
そう言いながら私が樹洞から出てくると子供は不思議なものを見るような目で私の事を見ていました。
どうやら子供は私が隠れている樹洞に虫が隠れているか確かめるために、けむり玉を投げ込み虫を燻り出そうとしていたようです。
私はそんな子供に構わずに捕まらないように煙が来ない方の幹を登って逃げました。
本当に人間の子供は仲間の言う通り危険な生き物です。
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