第2話 見える人間

 どうも、小さいおじさんです。

 これは先日人間の事に詳しい仲間と野良猫に乗りながら話した時の事です。


 彼は私と少し似た姿をしていて、グレーのスーツに彼が言うには黒縁(くろぶち)メガネでバーコードという髪型らしいです。

 人間たちの事に詳しい彼はその姿になった時はかなり落ち込んでいましたが私にはよくわかりません。

 その仲間から聞いたのですがどうやら私たちが見える人間が増えているようです。

「私たちが見える人間が増えていると?」

「ああ、この前、夜中に仲間たちとある人間の家に忍び込んで寝ている人間を交互に飛び越える遊びをしてはしゃいでいたんだが、その人間は突然目を覚まし確かに私たちを見て驚いたかと思ったらすぐに迷惑そうな顔をしたんだよ」

「しかし、純粋な人間にしか私たちの姿は見えないはずでは?」

 元々私たちの事が見えるのは動物か感のいい人間の子供くらいのはず。

「どうやら最近、何かで私たちの存在が広く知れ渡った事で見える人間が増えたようだ。その結果として私たちの姿を想像する人間も増え私たちの姿もこのように変わったようだ」

 私たちの姿や形はその土地の人間の想像によって決まります。


 その内、仲間が悪い人間に捕まらないか心配です……。

 なんとも住みにくい世の中になってきました。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る