十九話、けれど上手くは行かなくて
その後は昼食を済ませ、気の済むままに多くの店を物色した。なおある
気付けば数時間が
だからそれは
「
「ッ!」
赤が黒に変わる
現れた
アルスはそれに、ホーレンを
「一体何が」
街中で
休日だからという事もあり武装はしていない。武器は持っていても、防具などは身に着けていない私服だ。その
(
助けてくれた男は言っていた。あれが一番の
場所は広場の
「これは……
「……」
「させないッ」
「――その女は
同時に圧が強く
「ッ!!」
それを自らアルスは
(
そして、小声で何かの情報を伝えあった。
「ふぅ……」
対応は
もしも乗り切ったとして、
「ミア! リノを連れて
「
「どこか遠く、最悪国を出ても良い――!」
合流もそれこそ先も考えず、ただ
そうなってくるとアルス
(複数いる事が確定した。それだけでも
思い返すのはホーレンに傷をつけた男。それが合流、もしくは
「――え……」
しかし
その場にいる
一応の対応として、
⚔
「
「
「…………そっか」
衛兵がその場に
「……」
心ここにあらずと、リノは手元を見ていた。
これで二回目の
「何だったんだろうね。あいつら」
「……さぁ。最近
「あーあ、楽しかった時間を
それでも罪悪感は
「どうせ傷つけるだけ、か……」
「何が?」
「うーん……最初に
「傷つけるだけ……」
それは、リノへと向けた言葉だろうか。
どのような意図を持つのか。
「ごめんミア、
衛兵の内数名が、
事態に最も近かった存在を、実際に
「あはは。まぁ調査のためにも協力は必要だよね。よし、行ってくる!」
「うん。それに仲間の人たちにもちゃんと言っておきなよ。
「分かってる。じゃあ後で合流しよう。場所はー……
「――うん」
先日も、さっきも。結局自分は
他人の
「…………行こうか」
ミアが去っていく。衛兵に声をかける。
それを見て、それ以上を見ない様にそこから背を向けた。
「どこに、ですか」
答えは、明確には出ていなかった。あるのは、巻き
自分が
「宿に
「
「……行けないよ。行く気もない」
ミアには仲間がいる。銀級
一年以上の付き合い。夢も、目指す先も知っている。
今回で分かった。世界は自分が思ったよりも危険で、
「
「……」
「もしかしたら、リノの
リノの
数歩歩いていくアルスに、リノは付いて行こうとはしなかった。
「どうしたの?」
数舜の無言。
「
「もう十分
顔を上げないリノの表情を、アルスは見る事が
相手の衣服と、
リノは、もう片方の空いた
「これは、名札です。書かれているのは、親しくはありませんし話したこともありませんが、同じ
「それが……」
「つまりは、この名札の持ち主がどうなったのかという事です」
答えは直接的に明示されていない。けど想像だけは付く。
つまりはリノよりも先に
「
「そうでしょうね。そして、次はお前だと、そういう事でしょう」
「ならそうなる前に――」
「――そして今回の件で、やはり
「……それが策略だという可能性はないのかな。警告という体で
「そうでしょうね。
名札を
「【
それは棒立ちのアルスよりも少し
「っ」
「ほら、
苦しくなる呼吸に
「あなたは
「
「
そう言って、
「――ありがとうございます。
「それは、
「そんなにもぼろぼろなのに? ここから先は、
少女は、アルスよりも暗い
「安心してください。確かに
「……っ」
食いしばる様に、立ち上がろうとするアルスは。けれど立ち上がれなかった。
それほどに気力がない。限界を優に
「
言いたいことを言うように、
それは
通り過ぎたリノは、けれど立ち止まり
「ミアさんには
「そんなの、自分で」
「
リノは笑う。力なく、
「さようなら、
少女は去る。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます