『余命通告』

第一回 『余命通知』

　国から、『余命通告』が、３ヶ月おきにメールされてくるようになりました。

　これは、『個人番号情報』と結び付いていて、健康状態、就労状態、収入、資産、債権債務、税金の支払い状態、学歴、地位、賞罰。などなど、様々なデータを国民管理用メガスーパーコンピュータにより計算された数値が、伝えられるのです。

　ただし、内容は、いたってシンプルです。

　つまり、こうです。

　『あなたの、余命は、２年３ヶ月です。』

　と、まず大文字で書かれています。

　次に、『主な要因』ときます。

　①　前立腺がんにより治療中。

　②　前職退職後、５年間就労なし。 .

③　流動資産、185万どりむ

　④　不動産資産二件。負債なし

　⑤　社会的地位なし。

　⑥　賞罰なし。

　そのほか。特別事項。

　フルートの演奏が可能。アマチュアBクラスに相当する。

　期間までに。なんらかの変かがなければ、期限に達したその時点で、消去されます。

　しかし。たとえば。なんらかの、収入をあげた場合は、その数値により、余命が増えます。

　また、国家に資する仕事を成しとげたりシタ場合は、大幅に改定されるばあはいがあります。

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　つまり、ぼくは、余命２年３ヶ月なのである。

　65歳を越えていると、非常に厳しい状態になる。

　そう、これが、ぼくの、立ち位置なのであります。