月の栞🔖わたしの本棚にようこそ！

「フランス窓便り」 田渕由美子

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「 白いペンキぬりのフランス窓のある

　ちいさな家から

　このお話は届けられます

　住んでいるのは

　3人の少女たち

　風の中に今

　かおりはじめているのは

　初夏の匂いです―――」

　出典：『 フランス窓便り 』田渕由美子 より

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　今回は太刀掛秀子さん、陸奥A子さんと同じく『 りぼん 』で活躍された田渕由美子さんの作品を、ご紹介いたしますね。

　この「フランス窓便り」は……

　******フランス窓のある小さな一軒家に住む、杏、苗子、詮子 というタイプの違う女子大生三人三様の恋の行方を描いた作品です。

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　田渕さんの描く女の子は印象的な大きな瞳に細い手足で、あの頃のわたしにとっては大人っぽいイメージでした。

　白いペンキ塗りのフランス窓やカフェ・オ・レ、両手いっぱいの かすみ草……憧れたものです。

　この三人のそれぞれの恋物語、どれも素敵なのですが、個性派の美大生、気の強い苗子と重太郎のエピソードは何とも微笑ましくて好きでした。

　外見に構わず、むさくるしい ⁉ ひげゴジラの重太郎の不器用な優しさとそれに気づいた苗子の反応がとても可愛くて。

　他にも集英社文庫の同時収録の

『 あなたに・・・』

“ わたしと同じこころを持っている ” から始まる冒頭の詩と物語も印象深いです。

「フランス窓便り」田渕由美子 集英社文庫コミック版 収録作品 は

（フランス窓便り ／雪やこんこん／ マルメロ・ジャムをひとすくい ／ライム・ラブ・ストーリー ／風色通りのまがりかど ／あなたに・・・／ブルー・グリーン・メロディ）です。