好奇心が僕を殺すまで

ᗦ↞︎◃︎

〈桜色の晩餐会〉

第1話 きっかけ

 好奇心は猫をも殺す

例え身体能力に長けている猫であっても好奇心で動くと危険な目に合うって意味だったかな、僕にピッタリだ…こんな事で



 (自分が王族や貴族で、魔法やスキルなんかが覚醒して使えるようになって、俺つえーってエクスカリバーぶん回してたら世界もヒロインも救っちゃったりなんかして…あーあ、なんて現実はつまらないんだろうか。)

 

 [1年2組、明星あけほしひろみ 次の休み、生徒指導室まで]

授業中、妄想にふけているとそれをかき消すように放送が鳴った


 「あ、あっれぇ、俺またなんかやらかしちゃいましたぁ?」

(はい!はいはーい!呼ばれたのは俺!えー聖騎士ロイヤル路線じゃなくて、不良物ってカンジー?いや、まって本気で何?)

 呼ばれてちょっと浮かれてみたのはいいがその後の授業が頭に入ってこなかった。


 恐る恐る生徒指導室へ向かうと、先に知らない生徒が3人いた。

 「君も呼ばれたの?」

 「あ、はい…」

(知らない金髪に声かけられた、絶対不良じゃん…)

残り1つ開いている椅子に腰を掛けてほかの人を見てみる。

 「って、ひなた お前もこの高校だったのか?」

そこには小学校からの友人がいた、”柳 ひなた”ちょっと変わってるけど、いいやつ

 「高専とかに行くんじゃないかって思ってたのに、ほら機械課あるし?」

 「あー無理無理、ほんとはそのつもりだったけどなー」

 「あはは、マークシートで試験だから案外楽そうなのに、残念だったねぇ?僕も受けて見たかったなぁ」

黒髪は腕を組みコクコクと頷く

 「ほかの成績が足りないと受験資格も無いんだぜ!」

 「あー、納得」

 (ん?待て)

 「なんでしれっと会話に入ってくるんですか?」

この中で一番背の高い黒髪はへらへらと会話に入ってきた

 「楽しそうな話してたから?」

 「えーいーなぁー、俺も混ぜてっ!」

さっきの金髪まで乱入してきやがった

 「俺たち新設校の最初の1年じゃん?貴重な出会いなんだし仲良くしよー?あ、俺はね古屋ふるやれん、よろしくっ!」

古屋はウィンクをする

 「うん、僕は黒神くろかみとおる、よろしく」

ぞくぞくと自己紹介が始まる

 「あー俺は明星、明星ひろみデス…こっちのちっさいのが柳ひなた」

 「ひろみちゃんね?よーし覚えたよ☆ひなたちゃんは同じクラスだもんね」

 (ちゃん付け…)

そこへ白衣を着た大柄でメガネをかけたぼさぼさ髪の男が入ってくる

 「よし揃ってるな、入学式でも紹介されたが生物の授業担当の亀水きすい きょうだ、んでお前らなんで呼ばれたかわかるか?」

 「いや、わかんないよ?このメンバーだってよくわかってないし」

古屋は真っ先に俺の言いたいことを言ってくれた、ナイスだ古屋!

 「単刀直入に言うが部活の申請がされてないからだ、この学校はバイト禁止の強制入部だ」

 「お、俺ちゃんと帰宅部で出しましたけど?!」

 「残念だが認められん」

 「家で勉強したいんですが!!」

 「そー言うと思って入試のテスト確認すりゃどいつもこいつもへっぽこりんじゃねぇか」

 「だからこそ家で勉強するんでしょー!」

 「残念だが校則なもんでなぁ?」

(くっそー!俺のゲーム三昧が!!!)

 「待って待って?バイト禁止って色々困る人もいるんじゃない?」

古屋は亀水に疑問をぶつける

 「あーその件だが、お前たちも知っての通りこの街はニュータウンで、企業のお庭なもんで、学生が賃金に群がるのはよろしくないから、企業で働く親から改善したいって話らしいぞ、まぁんなもんは入試前に確認してろって話でもあるな」

 そう、僕も新入生としてわざわざこの街に越してきたわけではない、父親がニュータウン計画で転職した際に住居を与えられたからだ、それは企業がこの街に投資しているから出来ているみたいで、モデルハウスの街バージョンくらいって考えたらいいのかな、この街全体が試験場になってる、かくいう俺は生徒募集で入試も簡単そうだから入っただけみたいなもの、俺もこの街の事はよくわかってない。

 「いやぁきょーちゃんの言ってることはわかるよ?でも俺もひなたちゃんも別の街なんだけど?」

 「きょーちゃんやめろ、まぁ俺にどうこうしろって言われても俺だって面倒被ってんだ、外部講師だってのにお前らのお守りせにゃいかんくなったんだからなぁ?」

亀水は頭を掻く

 「まぁ最終的に俺が言いたいのは残ったお前らで部活をしろって話だ、お偉いさんは生徒がこの街をどう思ってんのか知りたいらしくてなぁ?新聞かなにか作ってくれとのことだ」

 「新聞部ってなかったっけ?」

黒神は亀水に問う

 「ああ、あるぞ、でもそれは校内新聞ってだけらしいぞ、全く面倒なこった、おじさんが言いてぇのはてめーらでなんとかしろって話だ」

 「先生にしては適当過ぎませんか?」

流石に俺も黙っては居られない。

 「おじさんは生物の先生が来るまでのピンチヒッターとして、外部講師をしてんだよだからこの学校のモンとも言い切れないもんで、出来立てほやほやの校則に茶々入れるほどの権力はねぇーよ、それにお偉いさんの濃い息がぶっかかってんだ、それこそもうどーしようもねー。せいぜい危ない事はしないようにとでも言っとく程度がせきの山だな」

 「俺にはどうしようもできないから、お前らで何とかしとけって丸投げしたいだけじゃん」

 「ばれたか、でも考え方を変えりゃあいい部活だぞ?適当な事書いて月イチ提出してたらそれ以外は遊び放題だしな?校外に出すもんだから評価もそれなりにもらえんだろ。」

 (それってつまりゲーム三昧復活ってコト!?)

 「俺やります!!」(ガッタァ)

 「いいね!文才があるって他行の女の子にもモテちゃうかもっ!」

古屋も立ち上がる

 「お、おう…やる気になってくれんのはおじさんも嬉しいとこだな…?んで、お前らは?」

亀水は黒神と柳のほうを見る

 「「なんでもいいー」」


 そうしてここに街の不思議聞部(仮)が完成した。

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