20話

次の日。

 おれは、終業式の間も通知表をもらっている時も落ち着かなかった。

 今、白鳥は病院にいる。

 おれの家の近くにある、それなりに大きい病院で検査を受けている。

 学校が終わったら、すぐに白鳥の所に行くつもりだ。

 それで、烏丸はというと、普通に過ごしている。

 少なくとも、おれには、そう見える。

 いつも通りの烏丸凛であった。


 学校が終わり、おれと烏丸はすぐに病院に向かった。

 セバスチャンによると、白鳥は左足を骨折して入院することになったそうだ。

「あら、高村君に烏丸君。私の通知表はもらってきてくれたかしら?」

 白鳥の学校に置いてあった荷物と共に、通知表を渡す。

「ふーん、まあまあね。……で、烏丸君は言うまでもないでしょうけれど、高村君はどうだったのかしら?」

「……聞くな」

 良かった。

 とりあえず、白鳥は元気そうだ。

「ちなみに、僕はオール5だったよ。高村君は、チラッと見えたけど、3が多かったなあ」

「……言うなよ。平均するとオール3だよ。泣くぞ」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る