批判殺到
山野エル
二〇二二年十月一日 午後一時三分 逓信新聞オンライン
「『善養寺真の太鼓判!』大賞」 現役女子高生作家に栄冠
株式会社太鼓判は一日、同社が主催する文学賞、第二十一回「『善養寺真の太鼓判!』大賞」の受賞作品を発表した。大賞に選ばれたのは、十八歳の現役女子高生、琴平フィル(ことひら・ふぃる)さんの『動き出した彼は私のために血に染まった』で、同賞の歴史の中で最年少受賞となる。
受賞作の発表を受けて、審査員長の善養寺真氏は「カスみたいな作品も腐るほどあったが、堂々と(審査を)駆け抜けた感があるね」と選考を振り返った。同賞最年少の現役女子高生の受賞については、「年齢なんか関係ないよ。面白い奴が生き残る。シンプルな世界だからね」とし、「彼女には今後もたくさん書いてほしいね。金だけ貰って次書かないとかいう連中もいるからさ。こっちはポケットマネーから出してんだ」と激励の言葉を掛けた。
琴平フィルさんは同賞のホームページ上に掲載された受賞の言葉の中で、「これがスタートラインだと感じています。まだまだ書きたいテーマはたくさんあるので、先輩作家さんたちに置いて行かれないように気を引き締めていきたいと思います」と受賞の喜びをつづった。
「『善養寺真の太鼓判!』大賞」は、株式会社太鼓判が二〇〇二年に創設した新人文学賞で、作家の善養寺真氏が選考員長を務める。略称は「善印賞」。今回の選考員には評論家の弓削篤(ゆげ・あつし)氏、覆面ウェブ作家のぶーどぅー・ぱぷわ氏、作家の是高伊乃世(これたか・いのよ)氏、新進気鋭の作家である来栖ねお(くるす・ねお)氏が名を連ねた。
同賞は広義のミステリをテーマとした未発表小説を募り、その選考過程をインターネット等で配信するなど、エンターテインメントの発信源としても知られる。同賞の受賞者には、二〇一二年に直木賞を受賞した掛長篠遊(かけなが・しのゆ)氏や昨年度の本屋大賞の大賞受賞作である『一発殴らせたる』の原一平(はら・いっぺい)氏などがいる。
大賞には盾と、副賞として善養寺氏のポケットマネーから賞金一二〇〇万円が贈られる。受賞式は今月内に都内のホテルで行われる予定となっている。また、大賞受賞作は来年一月に刊行予定。その他の受賞作についても順次刊行予定となっている。
第二十一回「『善養寺真の太鼓判!』大賞」受賞作
大賞:『動き出した彼は私のために血に染まった』(琴平フィル)
優秀賞:『電脳地層学概説』(絹野更紗/きぬの・さらさ)
優秀賞:『レール・アウト・ダッド』(鶴亀千万/つるかめ・せんばん)
※優秀賞は同時受賞。受賞者名は敬称略。
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