異世界で友人達を最強にする

神原ゆう

第1話 ありがちな転生

最強になった俺を見たかった人には悪いが、少しばかり俺の昔話に付き合って欲しい。いや、少しばかりは嘘だ。大分だいぶ長い。まあ、始めようか。



今から三年ほど前だったか。

あの頃は色々な意味で夢のような日々だった。

これは俺の体験した数多あまたの出来事の始まりであり、俺がとなった物語だ。


〜三年前〜


「…?何処だここ?」

薄暗い空間に遠くから光が差している。一体何があったのか、自分の中の記憶をたどる。


俺は高校一年生の朝霧優斗あさぎりゆうと


学校に登校しようとしていた。


思い出した。そこで俺は猛スピードで走って来たトラックにねられた。はず。じゃあなんで生きてて、こんな所に居るんだろう。


とりあえず光の差す方へ歩いて行く。


「ぉぃ!急げ!」

光の向こう側から声が聞こえる。良かった、ここには人が居るらしい。何だか慌ただしい様子だ。

「転生体が目覚めたぞ!」

テンセイタイってなんだろうか。転生体?何かのゲームでもしてるのか。

もうすぐこの空間から抜ける。


「眩しい…」

ん?、、、目が慣れて見えてきたのは三人の人間。 一人は大層たいそう高級そうな服を着ている。本物を見たことはないが貴族が着てそうな感じだ。その両脇には騎士のような身なりの二人。


真ん中の人が話しけてくる。

けにすまない。突然だが君にはこの国を救ってもらいたい」

「え?」


事情を聞けば、ザ•異世界転生。


正直厨二病こじらせて変な夢でも見ているのではと思ったりもした。

しかしそう思うにはこの世界はリアルすぎた。


あの男は国王だった。小さな島国の。この国はフリーメシアという国で、まさに今が産まれようとしているらしい。それに対抗するため、俺は召喚されたらしい。


その後はせわしない日々だった。現実世界も幸せだったし、親も心配になった。


しかしこの世界では、何もしないと俺の存在価値がない。日々鍛錬を積み、只々強くなった。


流石は転生と言うべきか、俺は恵まれていた。成長速度は常人の百倍程あった。転生から二年

程して俺は遂に魔王を討伐した。


めでたしめでたし。


大分長いとか言いながら、全然短かったな。時間で言えば長いが、記憶の中ではこんなものだ。魔王を殺すまで俺は必死だった。周りを見ず、自然と自らを孤独こどくに追い込み、ただ吹き荒れる風と共に過ごし。そんなこんなしていたらその頃の記憶が曖昧あいまいになってしまった。


その後は何があっただろうか、人々から嫌になる程激励されて、言葉で言い表せ無い様な複雑な感情になった辺りまでは覚えている。


これから何をすればいい?

今まで俺が必死になって保った存在価値は?


そんなことを考えていた。




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