ぼくとネコとの戦い。

夕哉圭シロー

第1話 Round1 出会いは突然に

冬の日、僕は授業が終わったので家に帰った。この後のスケジュールは

PM5:30から近所のスーパーでのバイトだ。部活は1年生の時ラグビー部に

入っていたがしんどかったのと、クラスメートがバイトしてお金を稼いでるのを

聞いてバカらしくなって辞めてしまった。(すこし後悔はしている。。。)


玄関を空けて、居間に入ると段ボールが置いてあり、中をのぞくと、白い小さな猫がうずくまっていた。びっくりして台所にいた母親に

「オカン、この猫どうしたん?」


「お帰り、ちょっと知り合いから頼まれて預かることになったの。」


「えー、どの位? でも、そもそもオカン猫嫌いやったやん。」


「そうなんだけど、実際にこの子を見るとそんなに怖そうじゃないから引き受けたの。」


小学校の時、犬を飼っていたのでどちらかというと僕は犬派だった。

でも動物自体は好きだったのと、この子が小さくで可愛かったので飼うこと自体に反対しなかった。


「あれっ、この子右目がブルーで左目がオレンジ色じゃない?」


「そうそう、何か金目銀目って呼ばれていて縁起がいい猫らしいの。」


「ふーん、そうなんだあ。」


僕はこの後気になったがバイトがあったので軽い夕食をとってから家を出た。







家に戻ると、玄関にネコ用のトイレが設置されていた。確かに犬はなついて可愛いけど、散歩が朝・夕に連れて行かないといけないので面倒くさかったことを思い出した。

居間に入ると、ネコちゃんは隅っこで丸まって警戒していた。

僕は犬と同じ感覚で「おいで、おいで」と呼んでみたがノーリアクションだったので

やっぱりネコは犬と違うなあと思った。


事件はその夜起こった。


いつもの様にベッドで寝ていると、突然ネコちゃんが布団の上にゴロゴロと喉を鳴らしながら飛び乗って来た。


「何っ、どうした。」思わず声に出してしまった。するとネコちゃんは僕の顔に近づいてきたので、


「布団の中に入りたいの?」聞いてしまった。入りやすいように布団を持ち上げると

ネコちゃんは躊躇なく布団の中に入ってい来て僕のお腹の辺りに横たわった。


甘えてるのかなあ?思いつつ僕のからだで小さいネコちゃんを押し潰さないか心配になりながらその晩は眠りに入った。


翌朝、気づいたらネコちゃんは既に僕の布団の中にはいなかった。

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