第2話 村のアイドルとお姫様
ユイさんは私と違って色々な経験をしているので知識量が物凄いのだ。この世界の事で知らないことが無いのかと思えるくらいなんでも知っているのだ。むしろ、知らなかったことがあったとしても自分が知っていたという風に変えているのではないかと思うくらいに何でも知っていた。
「ユイさんって本当に何でも知ってるよな。知らないものってあるの?」
「私はたくさん多くの経験を積んできたので人よりも知っている事は多いと思うのですが、カトリーナがどうすれば気持ち良くなってくれるのかというのはまだ経験したことが無いのでわからないですね。もしよろしければ、色欲大魔王の代わりに私が今夜からお相手いたしましょうか」
「そういう冗談は面白くないぞ。そういうのじゃなくて、知識として知らないことが無いのかと聞いているんだよ」
「カトリーナが期待しているような答えは出ないと思いますが、この世界で私の知らない事なんて何も無いですよ。他の世界だったら知らないこともあるかもしれませんが、カトリーナのいるこの世界で知らない事なんて何一つないです。例えば、昨日カトリーナがくしゃみをした時に少し粗相をしてしまったこととかも知ってますよ」
「ちょっと待て、なんでそんな事を知ってるんだ。誰にも知られずに処理したはずなんだが、洗っているところを見たのか?」
「いえ、見たのではないですよ。私の能力の一つにカトリーナの身に起きた出来事を報告してもらうってのがあるのはご存知だと思うのですが、その能力のおかげで知ることが出来ました。もちろん、その他の事もちゃんと記録に残してますからね。カトリーナが何回おならをしたとか、私がお風呂に入っている時に私のブラを胸に当ててショックを受けているとかも知ってますからね」
「おいおいおい、いくら何でもそんな事を捏造するのは良くないと思うよ。いくらユイさんが凄い能力者だからと言ってそれは言い過ぎだと思うな。私がおならを何回したとかそういうのはまだ笑えるかもしれないが、私とユイさんの胸の大きさを比べるメリットが私にはないと思うのだが。それに、今は私の方が小さいかもしれないが、このまま成長していくと私の方が豊かになっている可能性だってあるんだからな」
「残念ですがその可能性はないと思います。カトリーナは今のまま質素な胸でいてくれた方がメスガキ属性を存分に発揮することが出来るともいますよ。それと、比べているところの映像が見たいのでしたら用意することも可能ですよ。私の能力でその場面の映像を出すことも出来ますから安心してくださいね」
映像まで用意してあるとは思わなかったのだが、ここまで自信たっぷりな感じだと本当に映像もあるのだろう。確かに、私よりユイさんの方が豊かな物をお持ちではあるのだが、今に限っての話なのだ。もしかしたら、三年後には立場も逆転しているかもしれないのだが、そうなったとしてもユイさんが私のブラを胸に当てることなんてないだろうな。
いや、ユイさんであれば脱いだ下着の匂いとかも嗅いでいるのかもしれないぞ。
「さすがに私でも脱いだ下着の匂いなんて嗅ぎませんよ。カトリーナの事は好きでもそいうところはちゃんとわきまえてますから」
「ねえ、私口に出してないよね。今は何も言ってないよね。もしかして、ユイさんって私の心の中まで読めるんですか?」
「心の中なんて読めないですよ。でも、何となくカトリーナが考えている事は分かりますからね。私はカトリーナが考えていそうなことをに対して勝手に答えただけですからね」
「でもさ、私の考えを読んで答えたにしてはさ、あまりにもピンポイントすぎるんだよ。私じゃなかったら本当にひいてると思うよ。いや、私も若干ひいてるけどさ」
「そんな事はどうでもいいじゃないです。話は変わりますが、隣の村にいる若い女性が歌って踊ってるアイドル活動をしているそうですよ。カトリーナがアイドルに興味があるんだったら一緒に見に行ってみませんが?」
本当に話がガラッと変わってしまったのだが、アイドルっていったいなんだ?
「そうか、この世界にはアイドルという概念が無いのですね。でも、説明するのも面倒なので直接カトリーナの脳に教えておきます。きっとカトリーナもアイドルが好きになりますよ」
「なるほど。アイドルというのもは色々と種類があるのだな。その中でも隣村にいるアイドルは村人と一緒に踊って歌ってゲームをするという一般的なアイドルというやつなのか。って、直接脳に情報を教えてくるのやめてもらっていいかな。なんか、脳をいじられているみたいで怖いんだけど」
「大丈夫ですよ。カトリーナには負担がかからない程度の情報しか送ってないですからね。もっと多くの情報を教えてカトリーナの脳が情報を処理しきれなくすることも出来るんですけど、そんな事しても意味無いですからね」
「本当にユイさんの事が怖いんだけど。アイドルとか興味無いし、それを見たからって何かが変わるわけでもないと思うんだけどな」
ユイさんは悪い人ではないのだけれど、私に対しては時々怖いことを言うのだ。あまりにもそれが怖すぎて誰かに相談しようと思っていたこともあるのだが、なぜか相談をしようとしたタイミングでユイさんの邪魔が入っていた。きっと、その邪魔に入るタイミングもユイさんが計算して最高のタイミングなんだろうな。そう考えると、今まで以上にユイさんの事が怖くなってしまっていた。
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