第20話 ヤマト・ランド

防壁代わりだが、ゲートを超えること自体不可能だろう、

 住民は移動済みで、二本のゲートが建つ。

東側の壁際は異世界のドラゴン・シティへ続き、

西側の川際は瀬下と阿賀川を挟んでゲートで繋がり橋代わり、

さらに、その先は地球へのゲートに続く、

東西のゲー 一ノ戸川が阿賀川に流れ込む南に、二つの川に囲まれ、

南城、船山の西側の地区が、壁が出来た事で橋も無く孤立していて、

その条件を利用して、異世界との直接の出入り口として機能している。

川と壁で

ト間は道路で繋がれ、両側に交易、会議、宿泊、学校等

施設群が建てられ、地球と異世界の中継基地となる。


 「フム、ここが留学施設か、意外とちいさいの」辰影の言葉に

「まだ、カリキュラム作る段階でしょ、気が早いわよ」夕子が返す

「耶麻農業高等学校の校舎を、移築すればいいのにな」

「この部分の土地じゃ、それやったら他のが立たないわよ」「ウム」

横の建物を見ながら「お前の方の進み具合はどうだ?」

「フフ現代機器と超能力、魔法の融合って男のロマンよね」

「ここだと俺でも、火の玉出せる力あるから、可能だよな」と駒吉

「ロマンか、スパイものの主人公みたいに成れるか、ワクワクだな」

「長生きはするもんよね、フフフ」「アハハ」「ハハハ」…


 「でかいな~」予想外の客数で採算とれずで倒産のホテルの移築

「宴会場は、どれ位い入れるんだ?」「テーブルで300人だって」

「意外に少ないな」「人件費で潰れるわ、いま人手も確保できないわよ」

辰尾と響に辰也が調理場を指さして

「掃除だけでくたびれそう」「オー、すごく広い」

「百室は有るよね」「ホテル形式で、シングルで泊まるの予定だろ」

「フル稼働はずっと先でも、人手不足が深刻そうだよな」…

「サービス低下は景色で我慢して頂きましょう」

「ここからだと壁の向こうが見えるけど、向こうからは奈落だって」

「前の総理、ここの地震の時に、助けなかったせいよ」

「怒って独立しちゃうのってのも、すごい話だけど」

「蘭と凛は元気そうか?」「一緒よ、龍ちゃんと一緒」

「とりあえず準備しましょう」「は~い」


 「ハイジちゃん、このキャンプ場、閉鎖するって」春香の言葉に

「うそ~、楽して良いお給料で融通きくし、美味しいご飯付きなのに」

「旦那もバイトの子探してたから、船山のホテルに一緒に行く?」

「行く~、暇そうだし」「そだね、フフフ」


 ーー羽神家ーー ヒロイン血統 高郷                    

 羽神  辰影  祖父 学校経営

     夕子  祖母 辰影妻 警備会社会長

 羽神  辰尾  伯父 料理旅館経営 料理長

      響  小母 辰尾妻 旅館女将

   (七菜香   母) 

     駒吉  従兄 警備会社社長

     辰也  従兄 旅館板長

     春香 辰也嫁 キャンプ場喫茶店長、二代

      蘭  従姉 キャンプ場喫茶店長、初代

      凛  従妹 幼馴染 学生高一 北会津高 

 御埼  高子 いとこ ハイジ キャンバイト

ーーー

 喜多方市山都森林スポーツ公園、山都北部に位置し、

山の麓の高台でスポーツ振興と健康増進を目的に建設された。

しかし、キャンプ場は壁出現で干渉帯に分断され、手狭になる、

野球場、ハイキングコース等も、同様で使用不可や、制限された。

 その元グランドの道路際にお城様の洋館と和風の屋敷が建つた。

広い応接間の一画の壁面にドアが数個並ぶ、不自然な様を成す前で、

闇家直系の一族に披露され、ドアの往復を楽しみ面白がっている。

ドアの先にドアが有り部屋がある、ドアで幾つかの部屋が繋がる、

言葉ではそうなるが、実は宗二の持ち株会社の応接室を結んだのだ。


 宗二は色んな事に興味を示すが、長続きしない。

悪い癖でもあるが、周りのフォロー次第で状況は変わり、

七菜香の人を視る術と、一族の力でうまく機能している。

 現在、一番規模の大きいのは総合商社、立ち上げて東北地方でも、

名が通る迄に短期間で育て上げた、業界最大手の宗像家が婿にと

乞う程の才覚、その縁が有って、宗像の先代と婿には懇意にして

もらっている。

事業が軌道に乗ると、目移りがして次を起業し、其方へのめり込む、

商社も嫁に来た七菜香の勧めで、麻呂がその後を継いだ。

当初、周りから無謀の謗りを受け、揶揄されたが…

世界の流行や景気を読む力は素晴らしく、一部の衣料、食材では

他商社の追従を許さない程になった。

同様にこの地方のスーパーチェーンを、創二叔父、

綜合警備会社を祖母夕子が継いでいて順調に伸びていた。

現在は設備機器や工作機器をメインに、建設機械迄手掛け様としたが

道路事情と国土の手狭さで興味を失いつつあった。

そこへ今回の騒動、七菜香もラノベ好き、二人の興味が被った。

「七菜香、何造りたい」「空飛ぶキャンピングカーよ」

「龍司が一番喜ぶぞ」「応用は無限だし、使い道も広いわ」

「自己責任なら、パスポートも税関も無いのか」

「一攫千金、早い者勝ちね」

「なんか、血が騒ぐ、車かバイクを飛ばす事からだな」

「旅先での食事の開発だな~」

「見た事の無い物多いし成分調べないとね」

竜三と麻呂も加わり、「新大陸のジャガイモみたいね」

「流通で全て変わるな~」

「市場や小売店がスーパーやデパートに代わる様に」

「JAもスーパー化して対抗して居るが、先行きはな~」

「この山都の地の産物、もう米と蕎麦だけだし、狭い土地活用に

創二のスーパーにして便宜を図るとか」

「乳製品の販路も頼むわ、売る相手が居らんようになった」

農業高校の周りに展開する牧場主の哲二の言である。

「哲二さんの牛乳は異世界に売れるし、牧草も入るわよ」

「七菜香さん助かるが、何で即決で詳しいの?、俺も若い奴らに

担がれて冒険者になって修行中だけど、

それ以外の向うの事は、戦うこと以外は疎くてな」

「異世界デパート”闇屋”一号店の店長ですわ」

「”闇屋”って、絶対ダメだよ、店名変更」

「心配ありがと、”ドラゴンマート”が名称よ、小売店と言う名の

デパートなんて詐欺よね、竜四は如何する?」

両方失職するのを心配し尋ねる七菜香

「僕は辰影さんの学校の農業主任に成る予定」

「貴方、建都さんと勇樹君みないわね」

「家族でドラゴン・シティだよ、ほっとくと連絡寄こさない息子監視、

まあ連絡要員だよ」

「貴方も親だったのね」「まあな」「ハハハ」「フフフ」


 冒険者ギルドはカーソンを通じて、新ギルドをドラゴン・シティに

開設する運びとなり、推薦で副ギルド長のマリアが初代となり

アラルより赴任した。

新クランの名前は”龍族の末裔”、長は哲二、メンバーはヤマト出身者

孰れ各地に散らばるとして、共に関わりを持つ事を是として

初期訓練やグループ内の技術の鍛錬にはげんでいる。


ーー闇家ーー 主人公血統 山都町

 闇   竜三  祖父 農地山林大地主、製材業、JA理事、市会議員   

     麻六  祖母 竜三妻 ①総合商社社長      

 闇   宗二   父 ①起業家社長(持ち株会社)  

    七菜香   母 宗二妻 JA店長   

     竜四   兄 農業高校講師、JA職員    

 闇   龍司 主人公 学生高三 東京、東都高 

            キヤンプ場経営、ユーチューバー 

ーー御黒家ーー 山都町  

 御黒  哲二  叔父 牧場主、食品会社経営

 御黒  創二  叔父 ①スーパー副社長


 御剣  建都     宗二 秘書

     勇樹 幼馴染 学生高三 北会津高     

ーーー

 ドラゴン・ランドの北、ドラゴン達の古巣、山腹のテラス状の地に、

近代的な建物と日本的な建物が建つ一画が出現した、龍司の居住地だ。

ドラゴン・テラスと名付けられたドラゴンの子育て地は、

首都から数十キロのジャングルと、突き当りの山々を幾つか超え最後に

大陸随一の巨大なドラゴンホーンの2千m程を登り、突き出たテラスのオーバーハングで、更に遠回りをする事に成る、天然の要塞だ。

飛べなければ着くのも難しいが、今、そこでパーティが行われている。


 「ポルコさん、私共親子は突然呼ばれて、この雲の上の景色を見て、

もうパニックなのですが、詳細は貴方に聞けとつれないのです」

ロイドとロイドjrが連れ立って、ポルコの傍に来る

「フフあの方らしい、では僭越ながら説明を、ここはドラゴン大陸、

全人未踏のドラゴンランドの地で、後ろの山の頂がドラゴン・ホーン

その麓のドラゴン・テラスに成ります。

ちなみに、前方に見えるのがこの国の首都ドラゴン・シティ

ここ迄信じられますか?」

「貴方の言葉なら信じるしか無いでしょう」

「では、この地に貴方は如何やって連れて来られた?」

「まさか…転移ですか?」

「失礼なこと言います、貴方がここに来る前、ドアの説明を、

受けてませんか、ドアはドアだろうと安易に聞いたのでは?」

「確かにシティの商工会に繋がり…あ…」

「聞いていても信じてない事は、記憶に残りません、バカバカしい

大ぼら吹きの言葉、信用に値しませんよねフフフ」

「貴方も経験が…」「有りますよ、相手がリチャード様でしたが」

「幾ら説明されても、信用の有る相手でないと…なるほど」

「疑り失礼な事が有れば、シコリが残りますし、そっけない思いやり」

「大まかに値付け、使い心地のモニタ話で、人柄らは想像しましたが」

「ここはドラゴンの巣で、裏の大洞窟には鱗が詰まってますし、

持ち出し許可もいただいてます、必要な時は随時OK 」「…ウオ~」

「お仲間と思い、一言だけ、普通に商売しましょう、欲を欠かずに

付いて行けば、面白い目に合えます、私の様にハハハ」

 「何話してるんだい」「リチャード様に財宝処分で呼ばれた状況」

「信用有る相手でないとのってやつ?」「そうです」

頷くリチャードを見て納得、見知らぬ料理に向き合う。


 ダービットが見知った顔に近づき「カーソン久しいな」手を伸ばす。

握り返しながら「龍司様から聞いてはいるが、元気そうだな」

「お前達も初めて飲む酒だ頂け」「ウオ~」テ~ブルに向かう背に

「飲み過ぎて馬鹿しでかすとドラゴン様の餌だぞ」

「ここで言われると、ジョークに聞こえません」とカインが呟き

「俺も飲みて~」アランも騎士に混ざる


 龍ちゃんの分身だろうか、ホルトが傅くのを止めている。

アメスもオロオロして困っている

「神が具現化するだけでも、恐れ多い」

「ドラゴンも人化できるし、奇跡、観放題」ナタリーが茶化す

「人化したお前は…」ロベルトが話し出すと、周りはまたかの表情、

「のろけるな」ドランとドルンのハモった声だ


 グレイスが話し掛けるのを躊躇って佇んでると、

目の前の男の子も、同様な様子に気付く。

「あの二人はリノンと言うお子さんと、グレイスさんだったか」

「勇樹は人を覚えるのが得意だな」建都の言葉に

「加わるのが苦手で、遠くから見てる事多いから」

「人見知りじゃ無かったろ?」「あそこ雰囲気が華やかすぎだよ」

リノンとグレイスの様子に、気付いた龍司が手招きする

「よく来たね、元気そうで良かった」

「お兄ちゃんのおかげ、ご飯美味しくなったよ、ありがとう」

「あら可愛い子ね」「ダービットの息子さんだよ」

「お父さんは向うで話してる」「私が美味しいもの探してあげる」

蘭が子供向けの物を見繕いつつ、おやつを渡すと、甘さで夢中だ。

「グレイスも兄さんに付いて来た?」

「あの娘達の衣装に化粧、向こうの世界の人達ですか?」

「凛、涼子おいで、この子の質問に答えてあげて」

「良いわよ」「わたしで判る事かな」三人で料理を取って話し出す。

「恭平、翔子ホームステイの折は、ありがとう」「おうおう」「うん」

「もう、東京は行かないのか」「学校は今更行っても意味無いだろう」

龍司の言葉に二人も「向うで生きてくなら兎も角、ここじゃ王様だし」

「言えてる」笑い合うが、耳元に小声で「監視がキツイな」恭平が呟く

「ああ、アーシアがこれ以上妻を増やされように、二人付けてる」

「聞こえておるぞ、其方が色目を使うからであろうが」

「この世界最強の守りゆえ観念せい」

ドリーさん、ジュリさん大声は止めて…

ニコニコ顔で近づくアーシア、あの小さいお尻に敷かれる…

明日の9月1日からドラゴン歴元年とし、歴史が始まる。

ーーー

 ドラゴン・シティ、市長アーシア

 アナト王国、国王ロベルト、国王妻兼護衛ナタリー 

   同国首相カーター、息子スコット 

 アレス大陸、神国アラル教皇ホルト

    大司教アメス 神殿騎士総長ダービット、息子リノン

     部下カイン、上級騎士達

   ギルド長カーソン、B級冒険者アラン

   ロンド商会ロンド、ロイドジュニア

 クマルビ王国王弟リチャード

    商人、ポルコ、妹グレイス

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