かしましくかがやいて
優蘭みこ
プロローグ
鐘の鳴る丘-そして始まる物語-
春の柔らかな風が吹き抜けて草原の草達を優しく撫でながら吹き抜けて行く。二人の少女は小高い丘の頂に建つ真っ白な教会の前で手を繋ぎながらそれを見上げていた。真っ白で飾りっ気のない木綿のワンピースを着て手を繋ぎ、春風に髪の毛を揺らしながら見上げるその瞳には幸せと安らぎ、そしてこれからの希望に満ち溢れていた。
「
「うん、
「……ありがとう凜君、私のお嫁さんになってくれるのね」
「僕こそありがとう、紗久良」
二人はそう言ってから暫くの間見つめ合う。はにかんだ幼い笑顔は彼女たちの純粋な思いを素直に表し光り輝いている。
教会の鐘が鳴り響く……
同時に周りの木々から一斉に鳥たちが飛び立って、教会の上空を群れなし、まるで祝福の歌をうたう様に
幼い口付けだが彼女たちにとってそれは今表現できる精一杯の愛情だった。春風が再び草原を駆け抜けて二人のワンピースの裾を揺らして駆け抜ける。春の風は彼女達を祝福し、優しく微笑んで見せた。
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