血肉と学校のなか(書き下ろし)

全て宇宙の中に吸い込まれるようだった。ぼくの血肉は言葉となって、真っ赤に染まる 太陽だってぼくの赤には勝てないだろう。鏡になった闇が、廊下の続きを作っていた。いつになったらぼくの四肢はわかれてこの世から消えるのだろう と考えてやめた。いつだってぼくらにんげんはこの世から離れられないのだと、教科書に書いてあった。戦争で溜まった血は、海に流れて、今ぼくの所まで来ました。死者は灰にならずに空にのぼって、雨になり、今ぼくの所まで来ました。今ぼくの所まで来ました。いまぼくのところまできました。


「ぼくが死んだら、灰は空に蒔いてください。」

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