微熱

微熱があるときの世界は違って見える

いつもよりも高い温度を纏う世界

吸う空気は冷たく吐く空気は熱を持っている

お水はいつもより冷たくて飲むとぞわりと背筋に走る

熱いお茶は温度が近づいただけ飲みやすくゆったりと体に染み渡る

重たい体で見る世界

少し呂律が回りにくく話すスピードもゆっくりだ

世界の速度が遅くなっている

世界の彩度が曖昧になっている

ぼんやりとした頭で過ごす世界

冷たい枕で眠るのが心地良い

放熱するときの血液の循環を感じるとき

私はより生を感じるのだ

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る