冬の手紙

街に暖色が増えるのは寒い季節だからなのだろうね

自然の木々さえ紅や橙に葉を染めて

冷えていく街を暖めようとしている

けれどその努力虚しく葉はもぎとられて

やがて街は白く染められてしまう

吐く息の色すら染められて

私達は寒さに抗えない

かじかんだ手に白い吐息をかけて

抵抗するように赤く染まる耳の下にはマフラーを

コートの下は何枚着てる?

どうか風邪など引かないように

あたたかくしてくださいね

世界が色を取り戻してあたたかくなってきた頃には

梅色の手紙を送ります

桜色のお返事待ってます

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る