中途覚醒

ふと目が覚めて枕元の時計を見ると、デジタルな数字は意地悪するかのように薄く薄く表示して、私に正しい時刻を伝えてはくれなかった。ベッドから落ちたスマホを拾い上げ画面を表示させようとしたが、返ってきたのは電池切れの赤色の点滅。時間から解き放たれた私は暗順応した瞳で天井を見上げる。


なにも、なにもない。たくさんの本がある部屋で、なにもなかった。私の感情を揺さぶるものは、今の時間、なにもなかった。暗闇に光る家電の電源やコンセントタップ。ここは宇宙だ。無重力にふわふわと浮く私の意識。


このまますべて、宇宙の闇へと溶ければいいのに。

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