小さな車窓、大きな世界

小野進

◇◇◇

 岡山駅を出発したのぞみ113号は、瞬く間に280キロの世界へと突入してゆく。少しくたびれたスーツを着た学生は、音楽を聴きながら目まぐるしく変わる外の風景に身を預けている。

 山陽新幹線の路線には、トンネルが多い。それゆえ、ぱっと目に映ったどこかの街並みは、次の瞬間にはゴウという音と共に暗闇に消え、次に視界が開けた時にはもう全く違う風景が広がっている。

 紙芝居。もしくは、泡沫。

 そのような言葉が自然と浮かび上がった。

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小さな車窓、大きな世界 小野進 @susumu-ono

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