オリジン ーエコとエゴの狭間でー

七熊レン

プロローグ「レイジン」

「君。

 凪鶴なつるを、『エコ』にしてくれる?」



 早朝、二人だけの教室で。

 織守おりがみ 凪鶴なつるは、謎の台詞セリフげた。



 それだけ言い残し。

 さっさと、教室をあとにする麗人。

 残された男子高生、功刃くぬぎ 進晴すばるは、困惑する。



「……『エコ』って。

 ……なんだよ、それぇ……。

 ……感想とかじゃ、ないのかよぉ……」



 わけが分からず、頭を抱え、突っ伏す進晴すばる



 彼の机では、自分達をつなげたノート。

 今まで誰にも明かさずにいた、自分の趣味。

 書きかけの小説ページが、風でめくられており。



 ここから始まる、恐ろしそうなを。

 進晴すばるは、否が応でも、覚えずにはいられなかった。



 彼の予感は、当たらずとも遠からず。

 この日、凪鶴なつると縁が出来できことで。

 彼の人生は、大きく分岐したのだった。

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