「エラン・フィールド」



 エラン・フィールド。本名は不明。かつて、倒れていたところを後の師匠であるグレイシア・フィールドに拾われる。

 推定六歳であり、それ以前の記憶はない。自分の名前すらも覚えていなかったため、グレイシアから「エラン」という名を貰った。


 それから十年、彼と二人暮らしをしていたが、魔導学園に入学するために独り立ちをすることに。人里離れた場所でグレイシアと二人暮らしをしていたため人との接点はあまりなく、世間の常識にも疎い。

 独り立ちに際しグレイシアから基本的な一般常識を教えられたが、そもそもグレイシアも抜けているので教えてもらってないこと、ズレている知識も多い。文字は読めるが書けなかった。師匠は教えるのを忘れていた。今は書ける。

 その代わり、魔導に関しての知識は豊富。


 この世界では珍しい黒髪黒目の少女で、長寿のエルフ族であるグレイシアは少なくともそのような印象の人間は見たことがない。

 特徴的な見た目ゆえ家族などの情報は集まりやすいかと思われたが、手がかりは一切なし。このことが、グレイシアがエランを引き取ることに繋がった。


 幼いうちから保有している魔力量が多く、魔導のセンスに長けている。また本人も知らないうちに精霊と仲が良かった。精霊に好かれる体質なのか、それ以外かは不明。

 そのため、精霊の力を借りて放つことのできる魔術を扱える。

 現時点では火属性の魔術、水属性の魔術、それらを組み合わせた氷属性の複合魔術を扱えることが確認されている。


 家を出る際、グレイシアから家名「フィールド」を貰い、エラン・フィールドと名乗ることになる。


 人との関わりがあまりなかったので、同年代の友達に憧れている。相手をいきなりちゃん付けで呼ぶのは友好の証だが、たまに距離感がおかしい。

 名前や見た目の印象からあだ名を付けることもある。親しみを込めて……というはずだったが、今のところあだ名を付けた相手は変なのばかりで悪印象。なので親近感を覚えると名前で呼ぶ。


 魔導学園に入学してから、クラスメイトとの決闘(授業の一環)、魔獣騒ぎ、他クラスとの試合、そしてベルザ王国の第一王子との決闘騒動などと、トラブルメーカーとして噂が広まっている。

 本人は不本意。


 本人は至って前向きであり、まあ大抵なんとかなる、の精神。物事をあまり深く考えずに行動することもあり、世間知らずの面も含めてアホの子扱いされる。

 本人は不本意。


 グレイシアに拾われる以前の記憶がないが、本人は記憶を取り戻そうと意欲的に考えているわけではない。記憶がないことをさらっと話すこともあり、記憶がないことを気にしている様子もない。

 家族と呼べるのは彼女にとってグレイシアのみであるが、今回の第一王子との決闘騒動の発端となったところに"きょうだい"が絡んでいたことで、本人も知らずに胸が熱くなっていた。

 それをきっかけとして、エラン自身が決闘を挑むこととなった。


 

 魔導学園では、最初はひっそりと潜み徐々に頭角を表していく美少女魔導士……を目指していたが、その計画は初っ端から挫かれた。

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