幼馴染の浮気のせいで心が壊れました。〜今更全てを取り返したいなんて遅いんだが〜(なろうより転載)(保存用)
アキノリ@pokkey11.1
第一章 終わりゆく世界と希望
1、何故
第1話 失われた時
例えばの話であるが。
一度壊れた絆というものは果たして元に戻るのだろうか。
それは愛情でも.....?
俺はこれを否定しようと思う。
恐らく壊れた物は元に戻らない.....と。
その様に、だ。
俺、盾宮雫(たてみやしずく)は戻らない事を知ってしまった。
嫌でも思い知らされた。
その全てが壊れ過ぎてしまい。
元に戻らない事を知ってしまったのだ。
何だろうか.....その。
この世界の原理はあまりに無常だ。
諸行無常である。
だから.....俺は付き合っている筈の目の前の必死に頭を下げる幼馴染の姿を見てから絶望に思う。
何が起こっているのか全く分からない。
全てにおいての原理が分からない。
何をやっているんだ.....俺の幼馴染は?
一体何故、俺のデートの誘いを断ってまで男性と一緒に居たのだ?
腕を組んでか?意味が分からない。
分かりたくないが。
その男は一体.....誰なのか。
親戚でも紹介された事がない。
幼馴染が一緒に居た男は.....全く知らない男。
腕を組むなんて有り得ないんだが。
「.....」
全てが壊れ始めた感じがした俺は。
放課後に幼馴染を教室に呼び出してみる。
それから問い詰めてみる。
何故、腕を組んでこんな真似をしているのか、と。
すると幼馴染は青ざめた。
幼馴染は言ってくる。
理由がある、と。
でも今は言えない、と喋らなかった。
その、無理に会っている、とは言ってくれたが。
だけど何処の野郎かは話さない。
俺の中ではそのもどかしい感じが。
コーヒーが一気にアイスコーヒーになって急激に心が冷める様なそんな感覚に襲われる。
その思いを抱きながら俺は帰宅してから。
悔し涙を浮かべた。
困ったぐらいに絶望が襲う。
こんな簡単に裏切られるとは.....思わなかった。
その為に心が苦しい。
最悪の気分だった。
女ってのは全部こんなものなのか?
何かリセットしたい気分だ。
こんなヘドロはもうゴメンな感じで。
疲れてしまった。
頭が痛い。
☆
「.....御免なさい.....」
1日前の教室にて頭を下げて必死に幼馴染に涙声でそう言われる。
だけど俺の心にヒビが入ってしまった。
その時に.....だ。
これは.....浮気なのか、と一言、聞いてみる。
すると幼馴染は、そう.....とも言えるし言えない感じ.....、と涙を浮かべた。
いやちょっと待て何だその返答は?
どっちなのだ。
「私は.....その.....わ、私は.....」
何かぎこちない態度になる幼馴染。
理由が聞きたい。
とにかく何をしているんだ、と思う。
俺は思いながら悲しげに幼馴染に向く。
幼馴染は何か説明する為に言おうとしているが何も言えない感じで.....押し黙る。
そして震え始めた。
俺はその姿に.....額に手を添える。
そして言ってみる。
「もう良いよ。.....ゴメン。疲れた.....。.....別れよう。俺達」
「.....あ.....うん.....えっ.....」
「だってお前が.....喋らないから何も分からない。聞きたいけど訳が知れないのなら関係性を続けるのは無理があるだろう」
「.....弁解したいけど.....今は無理なの.....」
「いやだから......無理な理由が聞きたいんだが.....話せないのか」
「.....無理.....」
それから涙を流しながら崩れ落ちる幼馴染。
私が悪かった、と言いながら。
俺はその姿を見ながら盛大に溜息を吐いた。
そして俺は唇を噛む。
この場所に居ても何も知れない様だ。
もう帰ろう.....疲れてしまった。
何で話してくれないのか。
俺も.....傷付いたのに。
ここで叫んでも仕方が無いだろう。
俺は考えながらそのまま鞄を持った。
そしてそのまま無言で去る。
最悪の気分だ。
スカッとしたい気分である。
絶望のヘドロに足を囚われている。
こんな失望はしたくなかった.....。
☆
悲しいとしか言いようが無い。
もしかして周りの女子も皆、平然とこんな事をしているのか?
頭の中がゴチャゴチャになってしまう。
するとその時だった。
後輩がメッセージを送ってくる。
(先輩。何かあったんですか)
(何も無いが)
(そうは言っても何かあったとしか.....)
(いや。御免な。今は放っておいてくれ。マジに.....すまない)
あまり考えたく無いんで、と送る。
そして俺はスマホをベッドに投げ捨てた。
それから泣き始める。
あまりに絶望的な気分だった。
信じていたのに。
「くそう.....」
イライラしたり悲しんだり.....本当に何で。
こんなに愛していたのに。
何でこんな結末になってしまったのか。
一体何故こんな事に。
畜生。
「もう良い。.....絶望的だ.....幼馴染は最低って事だな.....それは間違い無いよな?」
そんな事を繰り返し呟いていると幼馴染からメッセージが来た。
それは遮断したメッセージじゃなく。
電話アプリで連絡が来た。
メッセージを全て打ち切ったのだが。
俺は眉を顰めてそのまま電話アプリを開く。
弁解の余地はないけど.....でも知って欲しい。これは.....仕方がなかったの、と。
そう強く書かれていた。
俺は、お前な。どんだけか知らないがかなり傷付いたぞ俺は。.....勘弁ならない、と書いた。
送信した。
そのまま連絡先を消す。
もう何も信じられない。
真っ白だが。
明日からどんな感じで生きていこうか。
幼馴染はもう幼馴染と認識出来ない。
なら.....後輩と。
という訳にもいくまい。
後輩と付き合う気にもならない。
女性が怖くなった。
悲しい気分だった。
俺は考えながら部屋の中を歩き出す。
するとドアがノックされた。
そして、お兄、と控えめな声がしてくる。
それから顔を見せてくる俺の妹。
長髪に.....少しだけ童顔の中学3年生の女子。
人一番に心優しい。
美少女でもある。
俺よりも.....顔立ちが良いかもな。
「お兄。どうしたの.....?何かおかしいよ。今日.....何だか.....」
「.....ああ。環。何もないぞ。.....すまない」
「.....何かあったの?その.....春香さん.....と.....」
「別に。何もないだけだ。ゴメン。それからその名前は今は出さないでくれ」
「.....うん.....」
環は黙る。
正直もう二度と恋を信じられないかも知れない。
女は絶望の存在と認識してしまった。
全てを壊して全てを絶望に変えてしまう存在とそう認識してしまった。
果たして変えられるのだろうかこの感情は。
そしてこの思いは。
俺も.....変えられるだろうか.....。
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