最終話「映画上映」~勇者ナガトと黒真珠の子アコヤ~

『冒険劇団』

ラストシーン「映画上映」~勇者ナガトと黒真珠の子アコヤ~


冒険劇団のキャラの死亡率について

ナガト以外は死ぬ可能性が高いです


このままいくと、カチューシャや岸田は確定で死にますし、ツキタ監督やそれ以外の撮影陣も死亡すると予想がついてます


ナガトと黒真珠の子(アコヤ)は生き残ると思います、ナガトとアコヤは、映画館で上映される冒険劇団を眺めています

問題は他の役者や撮影クルーはどうなったか?ですが、カメラに写ってはいませんし、そもそも彼らが存在したかもわからないです


これでは救いようがなく、空しいエピソードになるのかなと感じてます

なので、もしも全員生還させるなら異世界の見たものはすべて夢の中のことになり、記憶が消えるということです


アコヤは悲しみのなかに崩れるナガトに対して

映画を撮影したこと自体を勇者の剣で切り刻んでしまえば、その存在を無かったことにできると心のなかで語りかけます

「勇者の剣」は何でも切れる不思議な剣なので「現在と過去と未来の神の事象」すらも切ることができます


するとアコヤは、ナガトの持っている手をそっと握りしめて、勇者の聖剣の本当の使い道を示します

みんながまだ生きていた大切なシーンを切り取り、それ以外のシーンを切り刻んだのです

それは「アコヤたちと出会った事象そのものを無かったことにする行為」であり、アコヤは聖剣を握りしめたナガトの手を離すと、背中を押して、さあ、おゆき、と呟くと、ナガトはみんなが生きていたときの撮影シーンで止まったシーン、そのスクリーンの光に包まれます


ナガトは気付くとカメラに写っており、あのソフトクリーム屋のシーンに戻ります

「フィルムの撮影データを勇者の剣で立ち切った」ので、せっかく撮ったはずの初日からやり直しとのことです


確かスカートがきつくて破れるくだりですが、カチューシャが生きていることに涙が止まらず、撮影開始の合図が出せません

カチューシャはナガトのスカートがきついから、泣いているのだと思い、美術スタッフを呼ぼうとしますが


ナガトはこのままでいいとカチューシャに告げて、このあとの段取りをヒソヒソ声で教えます、ナガトは「良い演技を思い付いたの、私がわざと転んで、スカートが破れてギャン泣きするっていう、カーチャはアドリブについてこれる?」と言います

カチューシャは驚きますが「私を誰と思ってるの?」と言い返します

ナガトは「ふふっ、カーチャの演技は主役級だったね!」と笑顔で返します



そして、意気投合した二人は、衣装をそのままにして撮影をやり直して、スカートがきつくて破れるハプニングはあったものの、段取りをしたおかげでミスなく無事に終わりました、5分間に及ぶノーカットのアドリブシーンは、のちに二人の天才女優の生きた伝説となります


その撮影中に、誰か知っている人が通りすぎたような気がしました、ナガトは観光客のなかにいる、その黒真珠のように輝く子が、なぜか大切な子だったことを思い出したのです


カチューシャはナガトが、観光客のなかに何かを探している

そうツキタ監督に告げます、岸田はカメラを回しとく?良いことが起きそうな予感がする、というので、カメラを向けました


観光客のなかに、その大切な人を探すナガト

溶けたバニラクリームにアズキソーダのアイスをいれた不思議なジュースが溢れそうになります


それを手に持って、ナガトは声をかけます

ナガト「アズキソーダいりませんか!?うわあああっとっとっと!ぐへっ!」


びちゃびちゃになってしまった黒真珠の子

黒真珠の子「…」


ナガト「ああああ…」

これには、岸田は、なにやってんだ…と頭打ちしますが、それでもカチューシャはナガトを信じて、と告げます

ツキタ監督は、中断をしようとした岸田に対して、あの子はエキストラです、と真剣な目で伝えて、カメラ撮影の続行を指示します


カチューシャはモニターを見ながら、黒真珠のように輝く子だとナガトが言っていた、というと、岸田はアゴヒゲを触りながら観光客の方をじっと眺めて、確かに光るものを感じるな…というと、ツキタ監督は静かに…といいます


黒真珠の子に一気にクローズアップします


黒真珠の子「ペロッ、ふふっ」


黒真珠の子は、そのあとどんな顔をして、どんな声で、ナガトと会話したのか、私にもわからないです


すべては映画館で、そのシーンを見れると思います

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