第2話
俺はあっという間に6歳になった。6歳になるまでの出来事を振り返ろうと思う。まず、俺が3歳の時に妹が生まれた。めっちゃかわいい。親バカな人の気持ちがわかる気がする。それと魔法が使えるようになった。これが6年間の努力の成果だ!!
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
ステータス
セルス=アストロム 人族 6歳 Lv1
称号:神の使い
HP:482/482
MP:7265/7265
筋力:234
俊敏:234
防御:151
器用:359
運 :100
固有スキル:鑑定眼
通常スキル:身体強化(Lv4)魔力感知 火魔法(Lv1)剣術(Lv2)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
なかなか強くなったんじゃないか?魔力量なんておそらく世界トップクラスの保持量だぞ。それに3歳の時から週に一回剣の先生と稽古しているおかげか剣術スキルを手にいれた。
また、毎日、書庫にいって魔法について勉強していたらいつの間にか火魔法を覚えていた。そのおかげで、魔力の消費が簡単になった。最近の俺の魔力量の増加は著しい。一ヶ月に1000増えることもざらにある。
父さんが近づいてきて話しかけてきた。珍しいこともあるもんだ。最近の父さんはとても忙しそうだ。まあ、領民の不満が増えてきたのだろう。恐怖政治って簡単なように見えても、維持していくのは難しいからな。
「セルス。今日は教会に行く日だ。お前が素晴らしいスキルを手に入れる日だ。これはその前祝いだ。たくさん食え!」
父さんが珍しく機嫌がいい。そんなに俺のスキルに期待しているのか?
「はいお父様。明日が楽しみですね。」
この日は、明日のことが楽しみすぎて、興奮して眠れなかった。
翌日 、俺たちは朝一番から教会へ向かった。
「スキル判定のお客様はこちらです。」
教会の人が案内をしている。
「お父様、あちらへ行きましょう。」
「何を言う。私は子爵なのだぞ。あんな庶民の列になど並ばんわ!」
「すみません。お父様。」
俺はこういう庶民を見下す傲慢なところが嫌いだ。前世の俺がもともと日本という貴族がいない国で生きていたからかもしれないが。
「こちらです、アストロム様。」
太ったおっさんがペコペコしながら案内する。この人、司教なはずなのにそれらしさがないな。というか、教会って『上位階級の人は下位階級の人を支援するように』っていうお触れを出してなかったっけ。この教会が腐ってるのか。おそらく父さんとつながってるな。
教会の内部に入ると、そこは荘厳な雰囲気で何だか萎縮してしまいそうだ。
「アストロム様、こちらの水晶にお手をおかざし下さい。さすれば素晴らしいスキルを手に入れることができます。」
「こうでいいのか?」
俺は言われたとおりに手をかざす。すると、水晶が光りだして画面が現れた。そこには
『セルス=アストロム
固有スキル ・神眼
・神聴
・神の奇跡 』
と表示されていた。
(全部のスキルに「神」ってはいってる。これってすごいんじゃないか?)
と思っていたが、教会のおっさんは父さんと渋い顔をしながら話している。
(これってもしかしてハズレ?)
すると父さんが赤い顔をして
「この恥さらしめ!!なんだこのはずれスキルは!!」
「で、ですが…」
「だまれ!!お前はもう勘当する!もう俺の子ではない!」
そういって出て行ってしまった。俺は茫然として動けなかった。俺は父さんが何を言っているのか、一瞬理解できなかった。そして、その言葉の意味を理解すると、絶望した。
(これから俺はどうすればいいのだろうか?まだ6歳なのに勘当されて。)
俺が、呆然として突っ立っていると女の人が近づいてきた。
「ぼうや。大丈夫?私、侯爵家のものなのだけれど、私の家来る?成人するまでならおいておけるわよ。」
絶望する俺に、希望の光が差し込んだ。俺には、その女の人が天使のように見えた。そして、俺は後先考えず
「よろしくお願いいたします。」
と言ってしまった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます