本当に良い香り

 きっかけはナンパだった。


 よくいる鬱陶しい男だと思ったのに、態度がどうにも小気味いい。すぐに手を出さない男に信頼を寄せた私は、ある日誘いに乗って男の家へと上がった。


「貴女は本当に良い香りがしますね」


 いつもの褒め言葉。


「僕の部屋に相応ふさわしい」


 いつもと違う目つき。


 見たこともない大きなはさみ

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